9/10 鉢呂さんははめられたようにしか感じられない
鉢呂経済産業相が「失言」問題で辞任した。失言のきっかけとなった発言がどうもあやしいので、マスコミが集中してねらっていたとしか思えない。
とくに文脈抜きで「放射能がつく」と発言した部分だけ切り取って、記者クラブマスコミが一斉に報じたことは怪しい。オフレコが約束されているところで、マスコミが服を着替えたのかどうなのか、くだらない挑発をしたようにしか思えない。前後のやりとりについて1日も早く情報公開を求めたい。
●鉢呂さんと直接面識はないが、経歴やその落ち着いた姿勢に尊敬してきた。それがやくみつるみたいな人間に軽いだの何だのさんざんなコメントを書かれたりして退任することは非常に残念だ。
●鉢呂さんの経歴を見ていると、偶然とは言え、今日的状況に関わり興味深いことが多い。第一に出身が北海道の新十津川町だが、ここは120年以上昔の奈良県十津川村で起きた大洪水の難民が開拓したところ。第二に、旧社会党では異色の、農協の営農指導をする職員から転身した政治家であったこと、第三に、泊原発の再開をいち早く決めた高橋はるみ北海道知事が誕生した知事選挙の対抗馬として立候補し惜敗していること、第四に昨年の菅首相誕生のときには旧社会党系の菅支持をまとめる役回りで、同じ横路派の輿石さんとは違う立場に立っていたこと、第五に今の選挙区に泊原発があること。
●経済産業相のなり手に苦労することだろう。原発廃止に向けた歩みを始めた大臣であれば、また今回のようなことになるだろうし、原発推進の大臣になれば世論の袋たたきにあう。今回のことはこの先の政局全体に大きな制約を課すことになろう。
●日本のマスコミは、市場の半分を独占している電通を経由した広告料で成り立っていて、その広告の少なくない割合を電力会社が支えていたということから見ていかなくてはならない。
●政治の世界で不可解に実態以上の発言力を持っている人は、だいたい失脚する。少し前は検察特捜がそう。その前はライブドアなどのニュービジネス、その前は小泉構造改革派の学者、その前は連合、その前は土建業界。長い間は東京電力。
これから失脚するのはマスコミ政治部になるのではないか。いくらなんでもこんな取材と報道のやり方を繰り返していたら国がつぶれてしまうし、そのことはいつか責任を問われることになると思う。
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コメント
鉢呂さん、やはりはめられたという感じはあります。
誘導尋問的に失言を引き出す手口にのってしまうのが
今一つ警戒心が足りないといえば足りないのですが。
旧社会党系で緑っぽい方向へ行きかねないのは容赦なく叩き落とすというのが今の風潮でしょう。「社会主義」がアメリカ式に「アカ」でしかない世の中へ逆戻りしてしまっています。脳内はティー・パーティとどっこいどっこいという人がテレビや週刊誌で笑いをとっているといえばいいのでしょう。
投稿: 藤原正樹 | 2011.09.17 00:52