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2011.08.09

8/9 管理会社から「ビラ投函禁止」の札を勝手に貼られる

管理会社と良好な関係を続けたいので本当は書きたくないが、やはり業者は免じても罪は免じたくないので、ここに書きます。

Dscn1926先日、私の住むマンションに、集合ポストに「ビラ投函お断り」の札が、管理組合名で掲出されていた。私は管理組合の理事長なのだが、まったく預かり知らない話で、驚いて管理員に確かめたところ、管理会社の会議で貼ったらいいと渡されたらしい。

この札が貼ってあると、ビラ投函した人は、マンション住人の誰かか管理員に迷惑だと判断された段階で、住居不法侵入で容疑者に仕立て上げることが、2009年11月30日の最高裁小法廷の棄却で可能になった(この裁判の告発者は警視庁公安課の職員である住人で、被疑者が共産党の活動家だったというところが、おとり捜査のようにしか見えないが)。単に、意識啓発の掲示物とは全然意味が違うのだ。

私は今まで、マンションの集合ポストに「ビラ投函禁止」の札を管理組合名で掲出しているのは、本当に管理組合で合意形成取ったのが疑義を呈してきたが、まさにそのことが行われたわけで、管理会社には、厳重に抗議して、顛末について文書にして提示するように求めた。管理会社は平謝りだったが、業界としてごく当たり前のこととして、こうした半ば違法行為を管理員に指導していることが、今回明らかになった。

国土交通省のマンション政策課にも電話で問い合わせたが、やはり集合ポストへのビラ投函まで禁止するのには、情報を遮断されるリスクを全住民に理解されるべきなので、管理規約になければ全住民が参加する機会が与えられている総会で諮られるべきことだ、と言われた。理事長や理事会の判断だけでやることも、実はグレーゾーンのことなのだ。

●迷惑なことなのだから規制して当たり前、という意見が出てきそうだが、集合ポストとなるとそう言い切ってよいものなのだろうか。迷惑なビラというものの判断に客観性を求めることはできず、ピザ屋のビラなど迷惑だと思う私のような人もいれば、逆に宅配ピザをよく利用する人には大切なものかも知れない。私と関わりの深い政治ビラなんかは全く両極に分かれるのだろう。そうしたものを取捨選択し判断するのは、あくまでも受取人でなければならないだろう。ましてビラなんてものは、読まずに棄てればよいだけのことで、迷惑といっても、その労苦はたかが知れている。また、ビラ投函おことわりを集合ポストの各戸の投函口に掲出することもできる。全員を巻き込む必要は全くない。
ビラ投函の禁止と容認の判断を、間に管理会社や管理組合が入ることは、自由への侵害である。これはあんたにはいらないと思う手紙だから棄てておくよ、なんて第三者がやったら普通は怒るべきことだ。しかし誰も怒らないどころか、そうしたことが裁判で有罪判決にまでなっているのが、この国の異常な現実だ。
まったく近代的自由にはナンセンスな「ビラ投函禁止」の掲示と判例である。

●このブログを読まれている方で、マンションにお住まいの方は、ご自分のマンションの「ビラ投函禁止」の札が貼られているかどうか確認してみてください。もし、貼りだされている場合は、誰がいつどのように判断して貼りだしたのか確認してみてください。悪質な事例があれば私に教えてください。

●しかし、たかがビラ投函のためにここまで怒って、自由を確保しようなんて人は、あまりいない。そういうことが、規制をしたい側にやりたい放題させている面があるのだろう。

●基地跡地にできる国家公務員宿舎にもビラ投函禁止の札が掲出されるのだろう。政治的問題の焦点となる建物なのだから、余計に神経質になるのだろう。

●政治や運動について言えば、ビラ投函の自由が保障されて、それでようやく言論の質が高まる。今みたいに配ること自体にタブーな意識がある社会では、スキャンダリズムしか言論にならない。政治家が馬鹿ばかりに見えるのもそういう社会の背景があるからだと思う。

●朝霞市の自治体議員の選挙の投票率の分析をしているが、見事にマンションの多い地域の投票率が大きく低下している。ビラ投函禁止による地域情報からの隔絶も、一つの原因だろう。マンションに住んでいると、地域情報は官製情報しか入ってこない。

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コメント

マンションのビラ配布妨害の記事よみました。
集団を勝手に代表できると思う人たちの行動が、個人の自由を無視したい人たちの思うつぼになることの典型を示したものとして読みました。実にいやなことです。

投稿: takao | 2011.08.23 07:54

おじゃまします。時々読ませていただいています。

>ビラ投函の禁止と容認の判断を、間に管理会社や管理組合が入ることは、自由への侵害である。これはあんたにはいらないと思う手紙だから棄てておくよ、なんて第三者がやったら普通は怒るべきことだ。しかし誰も怒らないどころか、そうしたことが裁判で有罪判決にまでなっているのが、この国の異常な現実だ。<
・・・に1票です。

投稿: endou | 2012.02.28 12:24

貴エントリに投稿させていただいた者です。

おそらくは、小生の投稿内容が幼稚で取るに足らないものだったのでしょうが(無視されないようにもっと勉強はしますけれど・・)、凡そ議員さんと称する方のブログは一般人の投稿を掲載しない方も多いものですが、御貴殿も、その例の漏れず、投稿(ないし掲載の)制限をされているのは非常に残念です。エントリの内容が非常に共感できるだけにです!。
私見をお許しいただければ、せめて、投稿のコメントに不適切や誤りがあった旨を記載された上で、削除や不掲載にしたことを表示なさっては如何ですか。
若しくは、最初からコメントは受付けないとか(尤も、その表示をすることで反論をさせない主義のブログ主だということを告白するも同然ですが・・)。
あともう一言失礼を申しますが、もし仮にコメントを受け付けているように見せかけておいてそれを掲載しない御貴殿の姿勢・認識認容があったとすれば、不快を感じます(←これは単なる趣味の問題ですが・・)。
少なくともフェアーではありません(←こちらは一般論になろうかと思います・・)。別段違法ではありませんが。

投稿: えんどう たかし | 2012.03.29 02:19

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