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2011.08.17

8/17 村山談話は村山元首相の言葉ではない!?

「世に倦む日々」という小泉構造改革のときに注目されたブログがあるが、今日、村山談話は村山氏ではなく竹村氏の考え方だ、などとまたまた珍奇なことを書いている。

村山談話の認識は、旧社会党のものだけではなく、ある程度広く政界で共有された認識といってよく、その限りにおいて、村山元首相だけが考えたものなどと言うつもりはないが、やはり、政権を担当して国としての公式見解までもっていったことの功績を、こうして自称リベラルみたいな人からコケにされるのは、腹立たしい。

このブログはおもしろい視点を与えてくれるが、どうも珍奇な方に衒学的な方へ理屈をもっていって、最後は実につまらない、何の政治的意義もないような、戦後の文学部的なサヨク言説にこじつけているところが全く残念である。

●関係者に申し訳ないが、菅首相と村山首相は同じような日本人的先入観によってバッシングをされているとしか思えない。サヨク系だから、エグい事態に決断できない、という決めつけが第一、そして決断をすると根回しできないで決断したというのが第二。

村山さんはその後仕事でタッグを組んだ自民党竹下派関係者や官邸にいた官僚たちに再評価され名誉挽回している。とくに阪神大震災での自衛隊の投入については、ある程度、官僚的常識からニュートラルなところにいた村山さんだからできたという話もあるし、オウム真理教の破防法適用も、破防法に懸念を示してきた社会党出身だったから反対もなく決断できた、ということのようだ。
また、不十分という声もあるものの、ラストチャンスとして従軍慰安婦問題への解決の道を開いたり、水俣病の解決、そして村山談話などの歴史的価値のある仕事を行ってきたと思う。社会党にとっての敵である自民党に評価されていることが、ネットウヨみたいな不勉強な輩以外の、村山さんの評価を貶められないところにおいているのだと思う。

一方、菅首相は微妙ではないかと思う。自民党とともに仕事をしてきていないので、野党からの客観的な評価を受けるとは思えない。評価するのは民主党の仲間か官邸にいる官僚しかいない。
私は原発の対応、特に現地に飛んで福島第一原発の吉田所長との関係を構築したことと、東電に乗り込んだこと、浜岡原発を停止させたことについては、一定評価をさぜるを得ないと思うし、これに難癖つけることは、他の手段を考えられるのかという観点からは難しいと思う。しかし、それをきちんと評価してくれる人はなかなかいないのではないかと思う。そういう中で今週の週刊朝日の菅首相のインタビュー記事は、一定の自己評価であり、それはそれでの客観化された自分の仕事を話していると読んだ。時間が経つにつれて菅首相が原発問題を悪化させたという評価はなくなると思う。
問題は他の政策である。菅政権の功績である社会保障と税の一体改革は、今後の政権がどのように処理するかにかかっていると思う。与野党の共通認識として、前進させることができれば、歴史的評価が形成されることになると思うが、おそらく民主党の非菅派が、力づくでこの改革を潰してくるのではないかと思う。全く残念なことである。

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