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2011.08.17

8/17 泊原発と北海道議会

北海道議会で、運転停止中の北海道の泊原発3号機の運転再開の知事の方針が承認された。一部自民党の中にも異論があって動くかと思われたが、結局知事の方針どおりとなった。電力需給が最も逼迫していない北海道でなぜ運転再開第一号とならなければならないのか、全く納得がいかない。高橋知事の穏やかそうな顔の裏側にある、町村氏を背景とした経済産業省の強い政治的スタンスを感じる。

しかしこの知事、数日前は経済産業省からの運転再開要請に、文句言っていなかったか。

●たたきやすい菅首相をスケープゴートにして、県知事が言いたい放題している一つの事例だと思う。

●私が北海道に渡る前の年、泊原発1号機の運転に関して住民投票請求が行われ、90万人もの直接請求署名が提出されたものの、道議会で2票差で否決されるということがあった。その総括みたいな番組を日テレ系の札幌テレビが作っており、行ったばかりの年に何度か放映された。

首都圏では、何かに反対する市民運動というのは、政治的には圧倒的に少数派で、議会外の闘争に力を入れて、議会は言上げのセレモニーとして位置づけてきていた。選挙なんか馬鹿にしていたし、議会なんか誰も重視していなかった時代だ。しかし北海道でわずか2票差にまで迫る議会のたたかいが行われていたことに、衝撃を受けて、以後、市民運動といえども数は力という面をあなどってはならないと思った。

2票差の否決だったので、当時社会党と連立与党を組んでいた中道会派をもっと絞めれば住民投票を可決できていた可能性が高かった。その点についての絶望的な感想や、当時の横路知事の煮え切らない態度などへの不満の方が話題になっていたが、本州のダメな社共と、最初から議会制民主主義内での意志決定を放棄していた市民運動と比べるとはるかに政治的にましな動きだったと思う。

●当時北海道議会は、107議席のうち、自民が49、社会が41、公明が7、民政クラブ(民社、保守系で社会党推薦など)5、共産4、保守系無所属1という構成で、自・社が拮抗していたことが可能性を作ったし、一方で過半数を制していなかったことが、不透明な投票行動によって否決という結果になった背景にある。

●この議会での敗北のあと、90万署名に積極的に取り組んだ北海道の生活クラブ生協から議員を送り出す動きが出てきて、私が自治体選挙を学ぶ機会を作っていただいた山口たかさんが始めて送り出される。

●議会制民主主義の意思決定のなかで生きている私たちにとって、朝霞基地跡地の運動でも、私が有権者の意志をかたちにすることが大切、と何度も言っている。1人か2人の「良心的」議員だけの活躍ではダメ。12月にある次の市議選で基地跡地の問題で市政をきちんと批判できる勢力をどこまでのばせるかが、運動体に問われているのだと思う。しかし署名の集まり具合などを見ていると、4年前より状況は厳しい。やるときにやっておかないと政治的な好機は逃げていっているのかも知れない。

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