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2011.08.01

7/31 埼玉県知事選、投票率最低を更新

埼玉県知事選挙の開票が終わり、上田知事の再選が決まった。しかし驚くは24.98%という投票率。朝霞市長選挙でも問題提起したが、こういう選挙を成立したとしてよいのか疑問だ。

最初から政党の談合候補が当落することは予想はついていたし、相手は共産党と、自己実現のための候補だから、投票所に行ってムダな時間を過ごす必要はない、と県民は判断したのだろう。

今回の結果を見て考えたこととして、

①あちこちの党派に中途半端に手を出して、どこの政党も動けなくするような上田党の選挙戦術は、上田党がやりたい放題するにはいいが、やがてはどっちらけの政治風土を作るだろう。朝霞市長選挙も同じようなことになっている。家の前を毎日、上田派の若手自治体議員とおぼしき人たちが上田きよしと連呼して通り抜ける政連車(これ、公選法で認められてたっけ)の派手さと、その周囲のしらけた感じが、すごくコントラストを作っていた。

②それにしても、18万票しか集められなかった共産党は危機といってよいだろう。かつては参院3議席の一角を取り、昨年の参院選で21万票、2年前の衆院選で31万票、4年前の衆院選で26万票獲得した共産党が、党員のみならず、反上田票の受け皿となって上積みがあるべき選挙において、基礎票を大きく割り込むような実績は、かなり危ない事態だと思う。

③朝霞市の上田の得票が2万1313票で、富岡市長の2期目の数字と近い。どっちらけの選挙の中で上田党のために投票に行く人たちの数がこれ。一方共産党の原富氏は2740票。共産党の市議選の得票が3500票、国政選挙が4000票程度だから、相当目減りしている。また泡沫の武田氏は775票。朝霞市の泡沫候補の得票が市議選でだいたい200票だから、500票は今回の選挙に関しての不満票なのだろう。

毎日新聞の「埼玉知事選:低投票率24.89% 高まる政治不信を反映」という記事では政治不信とあるが、まぁ、それで積極的に投票に行く気分にはならない面もあったと思うが、さして中央政界のような混乱のない埼玉県政を問う選挙では、それだけが低投票率の説明の決め手にはならないだろう。
この投票率の水準は、埼玉県、千葉県での結果のわかりきった選挙の投票率に近い。小泉構造改革や政権交代への期待が高かった、2005年、2009年の朝霞市長選挙でも同じ構図でやはり投票率は18%と22%であった。

●朝霞市の投票率は24.96%で全県平均の数字。しかし上田事務所のお膝元と考えるとかなり寒い数字。そして、上田事務所の周囲の投票区は総じてそれより低い。

●開票結果についてまだ朝霞市は発表できていない。相変わらず開票作業の遅い役所だと思う。

●また朝霞市選挙管理委員会のホームページの掲載データはあまりにも貧弱すぎる。これは埼玉県選挙管理委員会もそうで、県内選挙の市町村別得票のデータをつい最近まで公開していなかった。

埼玉知事選:低投票率24.89% 高まる政治不信を反映
 埼玉県知事選の投票率が24.89%と全国の知事選で過去最低となったのは、現職に民主、自民、公明3党が事実上相乗りしたことに加え、東日本大震災後の与野党対立で、政治不信が高まっていることも一因とみられる。

 4年前は27.67%と同県知事選では過去最低だったため、県選挙管理委員会は、選挙戦がお盆に重ならないよう、投開票日を前回の8月26日から早めた。また、なでしこジャパンの選手に投票呼びかけを依頼するなど投票率アップに取り組んだが、低投票率に歯止めをかけられなかった。 上田清司氏は、記者団の質問に対し「今の日本の国の政治を見ていると、どうなっているのだという政治への不快感が(有権者には)ある」と答えた。

 こうした指摘に総務省の政務三役の一人は、「国政に対する不満の影響がないとは思わない」とし、震災後の政治の混乱が波及したとの見方を示した。

 埼玉大の松本正生教授(政治学)も、震災後、混乱する国政を見た有権者が政治への不信感を深めたことを要因に挙げ、「有権者は政治への不満を通り越し、1票の重みや、自分たちの声の持つ力に無力感を感じている。特に、これまで投票に行っていた40~60代の有権者に無力感が強いのでは」と指摘した。

 さらに、「現職が圧倒的に有利で、わざわざ信任投票に行こうという人が少なかったのだろう」と分析した。

 また、共産推薦の原冨悟氏は、前回の共産推薦候補に比べほぼ半数の得票にとどまり、上田県政の批判票の受け皿とならなかった。

 一方、4月の統一地方選で行われた12知事選の平均投票率は52.77%で、過去最低の03年に次ぐ過去2番目の低さ。震災による自粛ムードの影響があったとはいえ、地方選での低投票率は全国的傾向になっている。【鷲頭彰子、西田真季子、中山裕司】

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