6/23 土日保育の実施について思うこと
製造業が、電力不足対策で、土日に操業することから全国各地で土日の保育を実施する認可保育園が続出している。
私はこのことに歓迎したいが、少し腑に落ちないことがある。今まで小売業や病院や福祉に従事するサービス業の人にとって切実な保育であったにもかかわらず、「多様なニーズ」という言葉で贅沢保育のように位置づけられて退けられてきたことが、製造業が動くからといって、動き出すところに、何となく職業の差別みたいなものを感じざるを得ない。
まぁそんな後ろ向きなことをぐちゃぐちゃ言って、くさして土日保育が進まないこともどうかと思うので、とにかくこれを皮切りに始めてほしいのだが、もう一つ腑に落ちないのが、土日開くコストが問題、むという話になっているが、これまた電力不足に対応する土日開所という考え方からはおかしな話だ。工場が土日操業するのは平日の休業のためなのだから、本来、それに対応する平日の保育が減るはずである。休日勤務手当の割り増しがあるのかも知れないが、製造業の労働者も、保育士も週、月、年の労働時間が守られていれば、その枠内での勤務日の再配分でしかないわけで、びっくりするほどコストがかかるというものでもないはずだと思う。
●とにかく、今まで土日に保育所に子どもを預けて働くということを後ろ向きにとらえ、育児放棄のように言ってきたことの弊害がようやく克服されるようとしている過渡期なのだろう。
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コメント
休日保育が普及していくのは異議ありません。
しかし休日が仕事で平日が休みだから子ども達も
保護者と同じ平日に休みとなる事は少ない。
土日の休みが平日になったんなら保護者の休みの日に
子ども達を休ませる事が重要でしょう。
投稿: リッケン | 2011.06.28 14:12
以前もコメントいただきありがとうございます。すみません多忙で遅れてしてしまいました。
発想がキブツ寄りと言われるかも知れませんが、共同で子どもが育つことが、保護者による養育より優れない、という前提や子どもが疲労するという議論について、私は疑問を感じているので、できるだけ保護者のもとに子どもがいた方がいいという前提で語り始める今の保育業界の議論の仕方にはやや違和感を持っています。
その上で、コメントのとおり、限られた保育資源を適度に配分していくためには、仰せのような考え方をふまえて保育所を利用することは必要だと思っていますし、2~5歳の日本の保育所と、幼稚園の人員配置基準が貧弱なので、確かに保護者のもとに帰す方がいい、という現実はあると思います。
しかし、サービス業のように勤務時間帯が様々で土曜も日曜もある労働者どうしの家庭の場合、片方が休みなんでしょ、みたいなことをすると、公的保育からまた彼らが疎外される原因を作るみたいなので、他のロジックが本当は必要なのかも知れません。
保護者としていることが楽しいと思えるような社会環境を作ることが、そのあたりのバランスを調和してくれるんでしょうね。
投稿: 管理人 | 2011.07.02 08:43