4/24 統一自治体選挙をふりかえって
今回の統一自治体選挙ほど何もしなかった選挙はなかったと思う。震災があり、組合の復興支援活動があったり、子どもの小学校入学があったり、何かせわしい一ヶ月で、21歳のときから欠かせたことのない自治体選挙を始めてさぼった後ろめたさがある。
今回の選挙の評価は、維新の会、減税日本、みんなの党という、新党御三家が勢力を伸長する中で、既成政党がどう変化するかという結果だったが、都道府県議選では、民主、自民、公明ともに議席数は大して変わらず(NHKはじめ大手マスメディアは民主大敗などと報じているが正確には現状維持。政権党としてそれでよいかという問題意識は必要だが。)、どうして現状維持だったのかという分析が必要に思う。
私は、これだけ情報化時代に、情報で候補者をセレクトしたいという有権者の欲求に、公選法が応えていないからだと思う。インターネット選挙ダメ、ビラ配布ダメ、マンションに至っては政策ビラの配布すらダメ、そして今回の選挙自粛ムードのもとで、チャレンジャーが勝てる要素は全くない。自治体選挙なんて首都圏ではマスコミはどこも報じない。その中で、自粛の雰囲気が弱い名古屋から西は新党が勝利できたのだけれども、関東圏は、民主新人もみんなの党もふるわなかった。そのこと自体の評価はともかく、やはり日本の選挙は、平時においては馬鹿できる人間が勝ち、非常時においては現職しか勝たない、そういう文化の中で、愚直な人間の参加によって政治文化を高めていくことは簡単じゃないと改めて痛感している。
●保坂さんが世田谷区長選に当選したのは嬉しい。当面のコメントがなっていなかったように感じた。落選した花輪氏は、10年ぐらい前に紹介で会ったことがあるが、民主党の非新進党グループの期待の星だったような。民主の推薦候補は、減税日本と相乗りだし。東京の政治ってけじめがなくてぐちゃぐちゃだなぁ。自民民主社民の統一翼賛会派を作った某区もあるし。
●世田谷はともかく、東京23区の区長って、現職当選ばっかり。前回も。交代しても前区長の後継者ばかり。東京の人は、交付税をもらっている自治体に偉そうなこと言ったり、自治や分権がどうのと発言したがる人はみんな東京の人なのに、自分のところの自治の根本にある選挙がお任せ主義じゃないかと感じている。
●友人やお世話になった人たちの当選の報。津市の補選で友人の岩脇圭一さん、大学生のとき大学の街で初当選した、北海道江別市議選の鈴木真由美さん、多摩市の岩永ひさかさんが当選。
●一番関心を持っていた和光市議選は、1人を除いて、松本市長の推していた候補や、市議時代の同会派の候補が当選。隣の市民として和光市の市政がどんなふうに変化するのか、楽しみに見るしかできないが、市議会の雰囲気も大きく変わると思う。期待している。
●国立市では現職敗北。共産党の独自候補擁立と、当選者の陣営の支援者の陰湿な住民訴訟の乱発の影響が大きい。住民基本台帳の接続だけが争点になってしまったのが良くなかったと思う。
●共産党の援護射撃の問題について、国立市と吹田市の市長選挙では、結果としてどういう票差で誰が当選したのかということを考えると、彼らの行動が誰を味方したのか問われるべきだと思う。凡百な民主系候補が落選したのならこんなこと言わないが、国立と吹田で当選したのを見ると、こりゃまずいだろと思わないものなのだろうか。
●まだ開票待ちの人たちがいます。がんばってほしいと願っています。しかし23区の開票事務は遅いなぁ。
●新聞の死亡記事を読んでいたら、元社会党衆議院議員で、厚生大臣も務められた森井忠良さんが亡くなったという。菅首相が時の人となった、厚生大臣当時の薬害エイズ問題解決の背景には、森井さんの作った道筋があったからだという話を聞いたことがある。今の政治文化の中ではまったく埋もれた歴史になっているこうしたことについて思い返る必要があると思う。ご冥福をお祈りいたします。
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