3/7 板橋区で日本社会党について話す
昨日、板橋茶論という、板橋区を舞台にゼミのようなお茶の間懇談会のような場で、日本社会党についてお話をさせていただいた。思い入れだけで文献を漁ってきただけの私にそんな機会が与えられるのは、大変恐縮しながら、何度もレジュメを書き直して臨んだ(最近全般的に書き物に自信がなくてそんなことが繰り返されている)。また東京で一番まともな社民党の人間関係が残っている場所でもあり、ややおそるおそる出かけた。
私の先に、千種さんというニュースステーションのプロデューサをされていた方が持ち込まれた「日本社会党五十年史編纂委員会」という15分の特集の映像資料を紹介していただいた。長年社会党の資料漁りをしてきた私にとって、心の琴線に触れるような、言葉や登場人物が続いた、とてもよい史料であった。
続いて私の話になって、社会党をふりかえる視点として、①対抗政党のあるべき姿をさぐり政治システムを再生させる観点、②民主党の組織文化を理解するため、③社民主義の正確な再興という観点、④社会党への誤解を解く、という4つの理由を挙げ、自分史から西欧社民主義の確信、選挙での修行、民主党という展開に対する接近と失望を話した。
また、社会党が衰退した原因を、政権を取るという主体的意思の欠如、社民主義に不可欠な福祉、雇用労働、経済政策に関する関心のなさなど知的能力の低下、③組織のイノベーションができなかった問題、④国民が社会党に期待した政権交代とあまりにも清らかな理想主義という相矛盾するもののジレンマ、などを示した。
そして新自由主義の矛盾が噴出する中で社民主義的な施策が期待されているが、社民主義に対するきちんとした認識、社民主義という立場に立脚した施策展開が行われないと、政党内だけでも損得論だけの政策論議による混乱が繰り返されるのだろう、特に税と社会保障の一体的な見直しをしようとするときにきちんとした考え方がないと、揚げ足取りの攻撃に耐えられないだろう、と話し、最後に江田三郎「日本の社会主義」を紹介し、この本に書いている日本社会の改革の提言は、今の新自由主義の混乱の果てに必要とされていることばかりだ、と結んだ。
参加者からは、消費税増税にどう考えているのか、や、村山政権での安全保障政策の転換についてどのように評価するのか、民主党の混乱はどんなふうに収拾できるのか、などおもしろい質問や意見が飛び交い、それなりの視点を提供できてよかったと思っている。
●あまりにも愉快なひとときで、打ち上げで飲み過ぎて、終電で帰宅、居間で寝てしまい、寝所に入らずに寒い夜を過ごす。
●日本社会党の限界というのは、日本の組織の多くの反主流派にありがちな弱さのあらわれではないかと感じている。最近下野した自民党を見ても、地域社会の諍いでも、結局日本社会党的な体制批判をしている。
●参加者に、7年前に勉強会で同席して非常にまともな考え方の人だと思った小山ひろゆきさんが参加されていて、意見交換できたことがよかった。今度、板橋区議選に挑戦する。
●主催者がレジュメを渋谷修さんに持っていくという。社会党の支持組織で長年中小企業の経営者とともに奮闘されてきた方に大した活動もしていない私が偉そうに書いたことがどのように評価されるのか、緊張している。
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コメント
現在板橋区民です。
板橋区民として選挙に行くのがどうも今回が最初で最後になりそうですが、そういう歴史があるんですね…。
投稿: 瑠璃子 | 2011.03.10 19:05