2/1 看護師の労働悪化
小林美希「看護崩壊」(アスキー新書)を読む。
医療崩壊で医師ばかり注目されてきたが、病院の看護師もいなくなっているという問題を取り上げ、看護師の労働条件がどんどん悪化していると報告している。
特定看護師導入の問題を取り上げていたことが良かった。公共サービスで働く専門職が、製造業の競争力強化の論理と同じやり方で仕事の専門性を高めることが求められて、その一方で、本来必要としている患者に対する日常的サービスがどんどん弱くなっている逆説的な問題を取り上げていることが印象深かった。
小林さんは、医療、福祉などの専門職の働き方があまりにも過酷になっている現状を丹念に、しつこく取材して報告してくれている。こうした分野は、ここ二十年、「努力しない公共サービス」というレッテルや先入観をもとに、左翼系労働運動以外の世界では無視され続けて、問題が放置されてきた分野。統計や調査ではいろいろ出ているが、生の労働者の声を拾って商業誌に載せていく作業はあまりされていない。イデオロギーのバイアスもなく、ほんとうに貴重なルポライターだと思って尊敬している。
●公務員バッシングを専門とするライターから簡単な確認で電話がかかってくる。うちの職場の電話の転送があまりスムーズじゃないので待たせたせいもあるのだろうが、質問の仕方、終え方、全くなっていない。彼女のいう「公務員」を批判できる筋合いではない、と思った。
多分、公務員バッシングするだけでは飽きたらず、誰かのせいにするために、うちの職場である労働組合を引き合いに出して、陰謀の主犯として祭り上げるのではないか。
●夕方、新規採用職員の組合加入をどうしたらよいか、講演活動と組合運営のアドバイスを業としている大先輩に話をうかがう。彼曰く、労働組合も入らないような公務員は、おそらく協調性もないし、窓口にやってくる困ったことを抱えた市民に対する想像力はない、と断言された。先日読んだ広田照幸「教育談義の方法」にも教員について同じようなことが書いてあった。右翼が攻撃すべきは協調性も連帯意識もないような教員ではないか、と。
労組のないうちの市役所を見ても思うが、非常におもしろい視点だと思う。
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