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2011.02.01

2/1 最近の公務員賃金の議論のふっかけられ方の問題

仕事柄、公務員の待遇についてあれこれ言うことは控えたいと思っているが、最近、聞き捨てならない言葉に「公務員賃金を民間並みに」という言葉がある。考えれば考えるほどおかしな表現なのである。公務員賃金を議論する際に、賃金の基本的な考え方が全く考慮されておらず、とんでもないプロパガンダ目的の比較軸で論議を展開していると感じる。

そもそも公務員賃金は現在のところ人事院勧告によって決定し(正確には自治体の人事委員会もある)、それは民間賃金の統計の結果によって決定している。その算式や集計のやり方がおかしいから変えろという議論が成立しても、「民間並みに」というのは、今がそうなのに何を言っているのか、と思わざるを得ない。何か根拠あるのかと思う。
公務員賃金を下げたい人は、民間並みなんて混乱すること言わずに、もっと安く働かせろ、というのが正しい表現ではないのだうろか。

同一価値労働同一賃金という話と、民間並みという地域格差の問題を混同して議論を展開するから、話がデットロックに乗り上げて、政治的にはお互いに不信感ばかり増し、混乱してくるのだと思う。

同一価値労働同一賃金となると、今度は、感覚的に「民間並み」という話ではなくて、日本ではほとんど見られない職務給にすべきという話になってくる。しかし職務給となると同一職種間で、会社間の賃金格差、官民の賃金格差はありえないという話になり、これはこれで、今の民間企業が受託している公共サービスで働く人たちのあまりにも低い賃金がおかしいという話になってくる。

職務給の原則をうち立てると、今度は、これまで人件費を買いたたくことで行政改革に寄与してきた公共サービスの民間委託のコストや、自治体の非正規労働者の賃金が上昇することになる。それを良しとする(私はその立場だが)なら、同一価値労働同一賃金という原則がうち立てることができる。

●高すぎる疑義があるなら、早急に労働基本権を公務員に戻し、契約関係を前提に、使用者責任として自治体が労働組合と交渉して賃金を決めるようにすべきである。人事院が統計的に算出する公定価格を前提に、高いの低いの議論することが無意味である。

●阿久根市でさかんに言われた、税金以上に公務員賃金が払われている、というデマについて、きちんと反論している人が少ない。日本の多くの自治体がそうだが、阿久根市のような税収の低い自治体は、必要な財政支出額を一定の算式で算定されて、その差額が地方交付税として、富裕自治体からあがってくる税金から国の交付税特別会計を経由して補われている。
したがって、比較すべきは自治体の全収入に対する公務員人件費の割合である。これでは阿久根市は特段多いということはない。
そういう前提をあえて無視して議論することは、とんでもないデマである。基準財政収入額の1.5倍も税収のある東京都武蔵野市の税収と、2割程度しかない阿久根市の税収とを同列に扱い、それをベースに公務員人件費と比較することが間違っているのである。統計のウソである。

●地方都市の消費が、全国チェーンの大型スーパーに吸い取られる現状があるから、地方公務員の賃金に対する批判も強くなるのだと思う。元々は大都会の富が地方交付税を経由し、公務員賃金も含めた財政支出を通じて、地元商店を通じて地域社会に配分されていたのが、今は地域社会に消費を吸い取る力が弱くなって、全く機能しなくなってしまっているのだろう。父の郷里に戻るたびに、徐々に全国チェーンや地方の政令指定都市に本社を置く企業が地域経済を食っていると実感している。そうしたことが、公務員の賃金を上げても地域のためにならないという感覚につながっていると感じている。

●それなのに公務員になりたがる人が多いという不思議。自分のところだけが豊かになればいいという社会連帯のない発想は国民間でお互い様のような感じがする。

●地域の民間企業に良質な雇用が必要だが、転勤を前提にする正社員制度のもとで、豊かな企業に働く人はみな東京や京阪神地区に吸い上げられてしまっている。

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