1/14 香里団地の保育所づくり運動を学ぶ
土曜の深夜は板橋茶寮の学習会に出る。テーマは「地域民主主義って何だ?!―1960年代・保育所づくり運動の経験から考える」として、1960年代の大阪府枚方市の香里団地の保育所づくり運動の話を、研究者の和田悠さんから聴く。
板橋茶寮の人たちと意気投合して流れ流れて26時まで板橋区でしゃべりあう。
●香里団地の保育所は団地族のインテリ共働き層のサロンの議論から始まり、松田道雄の思想的支援を受けながら、自主保育の開始、その公営化と進んでいく。古い地域社会とふれあい変えながら、実現していくことになるが、そのことを通じて①住民自治の発見とシチズンとしての成長、②徹底的な話し合いから生じた人間的信頼関係、③プライベートなことも社会的なことであるという認識づくりが形成された。
保育所づくりを通じた、知識人による民衆啓蒙とも、国家に対する抵抗運動とも違う、住民による市民的公共の発見ができた、という報告であった。
●終了後、意見交換をしながら、時折、板橋民主党の渋谷修氏の話題になる。
●団地という大規模開発がなかった朝霞市は、新住民が集団化して政策を変える運動がなかった。実際の行政サービスの水準についていろいろあるが、市民参加の立ち遅れや、市役所と市民運動とのつきあい方の不器用さ・コミュニケーション能力のなさは、和光市や新座市と比べても格段にあるし、市議会でのパワーバランスなどにも現れてきた。
かつては、町内会に新参者が少しずつ入れられ、恭順させられ、やがて旧住民になっていく、という歴史が市内各所で小さく小さく繰り返され、町内会長たちの同意をとれば市政のコンセンサスとして形成できた。また初期市政で長期政権が続き、市政運営は、閉鎖性や新しい課題への無頓着さ、徹底した行政主導の意思決定などに現れているのではないか。
1995年からマンションブームによって大量のマンションが供給され、集合住宅は戸数ベースで6割を越えている。新住民が町内会に入らなくなってきた。団地と違って、団地住民の自治会が形成されるわけでもなく、団地という共通の課題で連帯できるわけでもなく、町内会のような組織もなく、旧来型の市役所と市民組織とのつきあい方では網羅できない市民が半分を超えている。そうした中で、朝霞市の市政運営は大きく変更させられなくてはならないが、市民の政治的関心のなかでの地方自治へのニーズの低さ、財政問題ばかり語らる語られ方の水準、市役所が役に立っている実感のなさなどから、まだまだその体質が変わるのには時間がかかるだろう。
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