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2010.12.04

12/4 長い著作権保護期間による歴史的検証の喪失

鳩山政権が終わってよかったと思うのは、著作権の期限を、著作者の死語70年まで長期化するような構想をお持ちだったこと。鳩山氏は、何も考えずいいことだからと飛びついたのだと思うが、今の50年でもこんな問題が発生している。

蒋介石日記の出版凍結へ、相続権問題が浮上

スタンフォード大学に寄附された日記について、第三者である親族が存在したはずの相続権を主張して話を混乱させてしまい、証言者がいるうちに歴史の検証が必要な政治家の日記が出版されずにおかれることになる。非常に興味深いものが出てくるわけで、出版が凍結されるのは残念で仕方がない。

著作物は人との共有で価値をあらわすのではないか。そういう観点から本来公共のものであるべきだろう。その上で、著作権は本人の創作活動等創造性への保護であるべきで、相続するような財産権としての性質は二の次として扱われるべきものではないか。

ところが著作権の期間を長期化すると、著作物が歴史的著作物になるまで私有財産として扱われ、著作物の創作背景など証言できる人がほとんどいなくなる時期まで自由に出版できなくなる。わけのわからない遺族や著作権の被譲渡者などが権利を主張しはじめると、権利の複雑な土地の取引同様、著作物の出版が絶望的になるものまで出てくる。家族関係や借金の多い著作者、権利譲渡した出版社が倒産したケースなどわけがわからなくなる。また、著作物の価値は後から値段が付くようになるものもあるので、タダ同然で処分した著作権をめぐって紛争が絶えなくなる可能性もある。土地以上にやっかいな財産権である。

●蒋介石が書いたときには、政治家の日記なんて資料館に保管されて誰かが出版する程度のものとしか理解されていなかったのだろうが、昨今、アメリカを中心に元首・首相クラスの政治家が日記を出版して莫大な権利料を手にするケースが増えてきたことから出てきた、親族の権利主張なのだろうか。

●茂山千之丞さんが死亡。銀河テレビ小説のドラマによくお出になられていて、中高生のときにはそのファンだった。ご冥福をお祈り申し上げます。

蒋介石日記の出版凍結へ、相続権問題が浮上

. 【台北=源一秀】台湾元総統、蒋介石(1887~1975)が残した日記が、予定されていた年内の出版を危ぶまれる事態になっている。台湾メディアが報道した。


 日記は、蒋介石が1915~72年にほぼ毎日、毛筆で記していたもの。日中戦争時の心境などがつづられ、中国近現代史の第一級史料とされる。

 保管していた蒋の孫の妻、蒋方智怡さんが2005年に米スタンフォード大に寄託し、蒋方さんの依頼を受けた台湾の中央研究院近代史研究所が12月以降、「蒋中正日記」として3年をかけて出版する計画だった。

 しかし、最近になり、蒋介石のひ孫で蒋方さんのめいにあたる蒋友梅さんが、「相続権をはっきりさせるべきだ」などとして法的手続きを取ると蒋方さん側に通告してきた。

 友梅さんは「日記は自分の同意がないままスタンフォード大に寄託された」と主張している。近代史研究所は「一族の総意が得られるまで」出版計画を凍結するという。

(2010年12月4日18時38分 読売新聞)

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