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2010.12.20

12/19 いきがって財政再建を訴えても結局利益誘導じゃねぇ

西東京市議選のMN党の候補者のプロフィールを見ていたら、借金を減らすというようなことが最初の政策に掲げてあって、それはよろしいのだけれども、待機児童なくします、コミュニティーバス拡充します、あれやります、と景気が良くて気分は右肩上がり。

結局、「このままではたちゆかない!」財政とか年金の将来について深刻ぶって考えているような地方政治家ほど、地に足ついていないというか、高度成長期の何とかなる思考がどこかにあると思っているような節が見られる。

待機児童問題なんて、官から民みたいな話で済むような簡単なことではないし、コミュニティーバスはきっちりとしたノウハウがないと千万単位のお金が次から次に出ていく事業となる。そもそも、何のために待機児童問題をなくそうとしているのか、何のためにコミュニティーバスを拡充しなければならないのか、そうした理念なしに政策羅列してみて、マニフェストだと強弁してみたところで、今朝の山口二郎教授ではないが「リフォーム詐欺の片棒担ぎみたいな役回り」のになってしまうだけだと思う。

●もう一人も市の決算書の読み方でデマ。300億の税収で600億使っていると。阿久根市長のレトリックでも問題になったが、補助金、交付金、交付税、市債発行があって歳入であるし、保育所などそれ抜きにやれなんてバカな話にはならない。
また歳出にも、市債の償還があり、そんなのを差し引いて、東京都内の自治体がそんなに悪い状況とも思えない。こうした首都圏近郊の自治体は、単年度の財政問題以外にもっと憂うべき課題があるはずだ。
そういう悲壮感の持ち方が、濱口桂一郎先生言うところの政治部記者的な、ポピュリズム政治を招き入れ、結果として鳩山政権や菅政権の迷走と同じことなるだけだと思う。

●NHKスペシャル「私たちは核兵器を作った・多発する事故と放射能もれ沈黙の現場」を見る。衝撃的な番組だった。核兵器を作る工場で、愛国心と強い守秘義務を倫理として働いてきた労働者への扱いがずさんで、事故が多発したという。工場閉鎖後、ガンが発生しても政府は医療保険の対象にすらしてしないという話。自分たちで資料を集めて歴史を残す作業をしている。頭が下がる。

●愛国心と社会保障のバランスの話では、アメリカで障害者差別が禁止され、ノーマライゼーションやバリアフリーが進んだ背景に、ベトナム戦争があって、ベトナム戦争によって多数の障害者が作られた結果として、障害者の人権が前進したし公認されたという歴史があったようだ。
属国みたいなかたちで5年10年遅れでアメリカと同じような政策が入り、アメリカと同じような社会問題が起きる最近の日本だが、ここだけは民族主義の壁が立ちふさがっているのか、いっこうに進展しない。戦争をしなくても学んでほしいと思う。
話を戻すと、核兵器の工場で働きガンになった労働者を政府が支えずして、国のモラルが維持できるのか疑問だ。こんなところにアメリカの本格的な凋落を感じる。

●その工場、解体処理にあまりにもお金と時間がかかるため、途中から施設をそのまま地中に埋めてしまったという。過度な科学的管理が必要な廃棄物は誰も処理できないという話なのだろう。無定見な科学崇拝の日本の政権では、原発推進に原発輸出しているが、そういうことを考えているのだろうか。またそうしたところで最も下働きしなければならない労働者への洞察がされているのだろうか。

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