12/18 長野市長、就職未定学生に「反省を」
高度成長を思い切り享受した世代で、しかも親族の会社に入って、いかにもな地域団体の要職を務めた出世双六のなれの果てにいる市長に、こんなこと言われたくないものだ。
就職未定学生「反省を」「コネ使え」…長野市長
大学の教養課程が終わったら就職活動している今の大学生にもっと反省せよ、努力せよというのは、社会をゆがめるということがわかっていないのだろうか。個々の学生にそういうことは言えても、全体に言うのは何か筋違いだと思う。世の中なめている。
求人数から求職者数の残があぶれた数。景気が悪ければ必ず発生する。ロックもケインズもマルクスも学生の努力で完全雇用が達成できるとは言っていない。そんな単純なことすらわかっていないのだろうか。
このような言葉は、裸一貫から会社を立ち上げたり、大物政治家になったような自分の力でのしあがった人しか言う資格はないと思う。しかしそのような人は、ゼロから努力して努力して今の地位につけたことの苦労や無駄や、運のような偶然の機会に出会ったことも知っているので、あんまり軽々とこんな発言もしないだろう。
●もう一つの、コネ使えは半分正しいかもと最近思っている。公正さの影に狸と狐の化かし合いをするような就職活動するぐらいなら、人物像をわかりあった上で採用するというのは一つの手だ。
ただし格差がひどい今の日本社会でコネ採用を横行させると、必ず親戚筋が会社に大量に入ってくる。これは政治家二世みたいな問題を引き起こす。
●政治家がコネ使え言うと、営業活動そのもの。俺にヤミ献金くれて頼みに来てくれれば何とかしてやる、そういうことをしないやつはざまあみろ、という風に聞こえる。イヤな感じだ。
●この親の会社、役所の発注事業だけで食べているグループ企業ではないか。努力のしどころがずれているのではないか。
●非正規労働者の労働問題に、努力しないから、自分で選択したのだからと、自分だけが苦労してきたかのように非難したり突き放したことを言う人たちも同類だと思う。
就職未定学生「反省を」「コネ使え」…長野市長
長野市議会の12月定例会の一般質問で、就職先の決まらない学生に対するアドバイスを求められた鷲沢正一市長が「一番大事なのは反省すること」などと述べた。
共産党市議団は16日、「市長として不適当」として発言の取り消しを求める申し入れ書を提出した。鷲沢市長は10日の答弁で、「就職活動をしたことがなく、私が答えるのは不適当」とした上で、「社会に文句を言っても何のプラスにもならない」「自ら反省することで、自分は何を求めているか、あらゆる手段を使ったか、いろんなコネを使ったかとか、そういうことがあると思う」と発言した。
同市議団は申し入れで、「就職は子供の責任ではない。若い世代にコネという言葉も適当ではない」と指摘したが、鷲沢市長は「反省することは大事。コネを使うのが何が悪いのか」として撤回しなかったという。
(2010年12月18日08時47分 読売新聞)
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