12/10 政治部記者の政策知らず
朝日新聞の政治部記者の政局以外の不勉強ぶりを濱口桂一郎先生が批判。
政治部記者の空っぽな大風呂敷
政治、とりわけ政局というのは人々の先入観を操作するようなところがあり、したがってそういう思考回路になれると、どうしても政策そもそもの必要性ではなく、政局的文脈でしか理解できなくなるのだろう。
TPPにしかり、保育所にしかり、ハローワークにしかり、「年金が持たない」にしかり、民主党の影に自治労陰謀論しかり、事実や現実的な展開がどう進むかという政策や正しい情報判断をすっとばして、先入観やステレオタイプを共有するところから日本の政治報道業界の仲間入りが始まるのだろう。
●みんなで言おう「まだ朝日新聞、金払って読んでいるの?」
●最近、たまたま別件でお会いした別の新聞の政治部記者と意見交換することがあり、「民間委託って進んでないですよね」と、民間委託推進されることが改革で善という価値観を全開で私に話しかけた。私は、民間委託を受ける業者がなかなかいない現実がある、として、その理由を以下のように続けた。公務員賃金というのは高く思えても世間並みを大きく越えていることはない(公務員の賃金が高いと世論を煽っている人の年収を調べてみたことがあるか?)。それよりやすい労働力で人を働かせようというのが民間委託なのだから、業者が役所の仕事を受けて成り立つのかどうなのかという採算や、事業の継続性を考えると、役所の民間委託を受ける事業者がなかなか育たないという現実がある、と返した。その分、自治体の非正規労働者が増加する一方であるということも。
●朝日新聞を少し擁護すると、10日のオピニオン欄の、河野洋平さんの寄稿と、阪神電鉄の企画担当者の寄稿が良い。
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コメント
いまだにバカの一つ憶えのように民間委託だの民営化だの言ってる人は、金儲け性善説ともいうべき、人間儲けのためにやるなら何でも正しく上手くやるはずだ、という観念があるのでしょう。
儲からなくてもやらなければならないこと、即ち公共としてやること、に思いが至らないのでしょう。
それなら、民営化だの民間委託だの言わないで、儲からないことは民営だろうが公営だろうがやる必要はない、とはっきり主張した方が問題提起として意味があると思えます。
民間なら儲けを出しつつ公営よりももっと上手くやるはずだ、なんて、何のためにその事業がが必要なのかを考えていない、空論でしかないと思います。
投稿: こんにちは | 2010.12.11 12:37