11/8 今の医療問題をさらに深刻にする医療ツーリズムを推進する菅政権
菅政権の新成長戦略というのがろくでもない。
NHKクローズアップ現代が今日「医療ツーリズム」を取り上げていた。外国からツアー感覚で患者をどんどん呼び込んで外貨を稼いで景気対策をし、金満患者のマネーで医療の進歩も進めよういうことのようだ。
高度成長期の産業政策を何か違うところでやりたくて仕方のない経済産業省の官僚が、今、医療や福祉の商業化をどんどん推進している。医療に関してはこれだ。
しかしこれは、今進んでいる地域医療の崩壊と、医師の東京集中を世界規模でやろうという話と同じである。サウジとか中国の格差に君臨する金満外国人のために医療リソースを集中させ、地域医療はだめ医師がたくさんの患者を細々を診続けるという格差をもたらす。
そもそも医療を必要とする人がお金持ちであることはあまりない。したがって金持ちが札束で医療スタッフの頬をたたくような医療制度ができあがってしまったら、大多数の人にとって、難しい病気にかかってしまったらサラ金漬けヤミ金漬けにならないと医療が受けられなくなる。
もうそうなってしまうと、普通の人にとって医療は使うものではなくて不信の塊である。宗教か迷信みたいな健康法にばかり依存することになる。国民衛生は大きく低下していくのだろう。
●こんな政策を決定できるとは、菅直人は映画「シッコ」すら見たこともないのだろう。民間病院に入院していた患者が、低質な公立病院の前にタクシーの運転士によって捨てられるシーンや、シングルマザーがカナダ人と偽装交際して、公営で無料のカナダの医療を受けるシーンを見たら、こんなバカな政策はおかしいと思うはずだ。
●厚生労働省の官僚より経済産業省の官僚の方がまともだと思い込んでいる政治家やそれをとりまくしたり顔の運動家、学者たちの情報バイアスは大きい。
また政治家自身も明治維新ごっこするのが大好きだから、力のない人のために守ってきた制度というのがすごくバカバカしく見えるのかも知れない。国民も、じっくり議論すれば社民的な価値を大切にしているのに、選挙になると直情的、短絡的な政策に拍手喝采を送ったりするのも悪い。
そういう政治家たちが、医療ツーリズムみたいなものに体を張って反対するわけがなく、思いつき集みたいな経済対策の中で、医療ツーリズムみたいなものはお金がかからなくていいやという感じで追認して、番組に出てきた厚生労働省の担当政務官も、上が決めたんだからと、推進する立場でしかものを言わなくなっている。社会の危機だ。
●小沢が政権をとっても、自民党に政権が戻っても、どこでどう操作されているのか、ときには社民党首班でもこういう政策が推進される構図が変わらないのかも知れない。どうなっているんだ?日本政治。
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