11/25 鈴木亘氏の勧善懲悪・幼保一元化棚上げ論
また鈴木亘先生がとんちんかんなことを書いている。
幼稚園と保育所の一元化が待機児童問題の解決には直結しない、という認識は私と一緒。
しかし幼稚園業界を自主的で善なる世界、保育所業界を公費漬けの規制業種で社会悪みたいな書き方は相変わらず。幼稚園の経営者団体の方に共働きの保護者をあしざまに批判されたことがあるので、私はこんな脳天気な理解はしないつもりだ。
民主党政権は膨大な財源を確保できず、と決めつけているが、今の保育所に対して国が投下している財源が4000億円弱。交付税算定分を含めても1兆円程度。待機児童問題は都市部に集中しているので運営費コストだけなら、消費税の0.5%分にもならない。
消費税を上げる腹さえ決めれば、鈴木氏が考えるような複雑な制度にしなくても保育所の財源は確保できる。あとは事業者の確保が課題なだけで、参加も徹底も自由の民=善、自治体=悪と決めつけているだけではいつまでたっても問題は解決しない。
日本の資本主義も初期投資の段階で官営工場がなければ離陸でなきかった。
ものごとを直視できない不幸ってあるなぁ。
幼保一元化が待機児童問題の解決ではなく、子どもの育つ環境を分かたないという点でいつか推進しなければならない。保護者の事情も、完全な就労ばかりではなく、その中間がいろいろあったり、時には娯楽等のためにであっても保育が必要だという展開になっていけば、今の保育所と幼稚園を分断している合理的理由はなくなってくる。棚上げという表現を使っているということは、そのあたりを理解していると解釈してよいのか。
| 固定リンク
コメント
そう言えば、この間mixiで交わした議論もそれだったんですよね>子どもの育つ環境を「分かたない」という点でいつか推進しなければならない
と言うのか、子どもの育つ環境を「分かたねばならない」=同じ環境同士で子どもを育てた方が好いって認識が結構あるので、何か昔のカースト制度を想像してしまいましたよ。これでは仮に公教育とか福祉を立て直そうにも、それ自体が悪平等だって非難が起きそうだなぁ・・・・・(;´Д`)
投稿: 杉山真大 | 2010.11.25 22:46