10/4 公的医療保険が無駄だという米国民を笑えるか
よその国をみると我が身を振り返るのによいこともある。
アメリカの上院議員選挙で、民主党が苦戦しているというニュースの中で、公的医療保険制度の導入が負担増だと反対する意見が強いという話がアメリカの保守主義と結合していると紹介される。
曰くそんなことできるわけがない、国民を甘えさせる、自主独立の精神・・・。
不完全とはいえ公的医療保険制度にほぼ多数の人が入っているこの国から見れば、滑稽にすぎないが、消費税を20%払って、保育でも失業者対策でも十分なケアが受けられている国の人から見れば、何かにつけてモラルハザードだの自己責任だの言って議論がストップし、社会保障の整備がたちおくれ、待機児童問題、ほんとうの失業者が受けられない失業給付、そうした問題も滑稽に見えるのだろう。アメリカも日本もどうでもよい経済学ドグマにはまって、経済再生も、社会の紡ぎ直しもできないで、蓮舫が拳をあげる行政改革程度の話をありがたがっているだけ。全然歴史は進んでいかない。
●NHKニュースが伝えているこの報道が大笑い。
小さな政府+右翼的扇情的な若手女性候補を応援しているのが、アメリカの高度成長期に独力でいい思いをしたと信じてこられた退職中間層。企業年金でいい生活しているんだろうって。
その光景を見ていると、日本の地域社会に急に戻ってきた大企業退職者たちが、政治家の集会や市役所の主催する行政改革や基本計画などの説明会で、保育所は無駄だ、介護保険のサービスを受けている人は努力不足、と意見ご開陳して、自らが出世競争で同僚たちを社外に追いやったように政治家や市職員に「改革」を迫っている光景によく似ている。
年寄りからしてアメリカナイズされているこの国がアメリカ以上のやり方を見つけることはなく、アメリカ以上に豊かになることは、しばらくないと諦観するしかない。
●体系だった思想のない二大政党制のいきつくところというべきか。感情に結びつきやすいイデオロギーか、目先のニンジン的利益誘導でしか評価されない。西側世界で社会民主主義勢力が唯一自滅したこの国の不幸だ。
●名古屋市議会解散請求の首謀者である河村たかしの記者会見、なめている。
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