« 10/20 議員の視察旅行は社員旅行として残せ | トップページ | 10/22 政令指定都市市長会が生活保護受給者に社会奉仕せよと »

2010.10.22

10/21 首都圏の親元でぬくぬくしている学生ばかり甘やかす文部科学省

文部科学省が、奨学金の受給資格に社会貢献活動への参加を追加する方針を固めたという。
バカのバカであいた口がふさがらない。
この政策はどうも私の階級的憎悪を呼び起こす。

①奨学金のいらない学生はのびのび4年間過ごせて、奨学金の受け取った学生は4年間、授業にアルバイトにシューカツに社会貢献活動までしなければならない、ということ。

②現在問題になっている、教育の地域間格差がさらに拡大する。奨学金を受け取るのにさらにハードルが高くなれば、大学の多い東京や大阪近辺に実家のある子と、そうでない子の間の教育にかかる費用格差はさらに広がる。そのことで地方の優秀な人材を埋めてしまうことになる。

③受け入れ側の問題。社会貢献事業とは何か。その指定を受けた業者が、タダ同然で学生を働かせることができるということ。そのことはしいては外国人研修生問題と同じようなことにつながるということ。文部科学省や奨学金の支給を司る機構の指定をめぐって利権が発生する。

④いやいや社会貢献事業に参入する学生が増えることで、受け入れた社会貢献事業が腐る。

⑤逆に奨学金を受け取らない学生に対して社会貢献事業をしなくて良いという免罪符を与える。

⑥親のすねかじって、東京近辺の実家から大学に通学する学生ばかりをますます優遇する。こういう属性がニート問題の温床ではないか。地方から東京や大阪の大学で勉強している学生がアルバイトに社会貢献と、戦時中の学生や北朝鮮の学生みたいに疲弊させられていく。これは明らかに差別政策である。

⑦奨学金にお金がかかっていると言うが、日本の奨学金は単なる学生ローンである。返済された奨学金が必ず機構や国庫に入っているはずなのに、それが国民に知らされず、新規貸与額ばかりが知らされ、こんなにお金がかかっていると宣伝されている。

⑧奨学金財政が肥大化しているという問題意識の前に、文部科学省が少子化になっているのに私大の増設、学部新設をつい最近まで認め続けてきて、大学全入というバカな状態を作っていることが問題ではないか。最近問題になっている法科大学院も同じ。教育施設数ばかり増やして、質を低下させてきた。学生数は水ぶくれしていくわけだから奨学金が必要になるのは当たり前だろう。

⑨新設大学や学部新設というのは文部科学省の利権ではないかと思うことがある。学費抑制のための補助金を受け取っているにもかかわらずデフレ経済でも学費を上げ続け、学部を作るからと、その資金で超高層ビルを造ったり、バブル基調の建築物の新築に明け暮れている大学経営が、利権と言わなくて何だろうか。補助金の使途に厳しい制限がかかる社会福祉法人や混合医療を禁止されている医療などと比べると、公費を受け取ってやりたい放題不動産屋まがいのことをしているのが学校法人と印象を持たざるを得ない。事業仕分けが必要である。

⑩若者を社会貢献事業に漬ければ何とかなるという発想は、徴兵制で鍛える論者と同じ次元にいる。教育をそういう水準でしか理解していない人が、教育政策を決定しているというこの国のとんでもなさ。精神教育なんかやろうとする前に、学校にいる大学生には勉強させることを考えろ。

民主党が本当に政治主導などというなら、こういうことを考えて公表し固めたバカ官僚はクビにすべきだろう。業者選定にまつわるつまらない汚職をする政治家や官僚よりも社会に害毒を垂れ流す。こんなことやれば必ず日本国内の知的能力はどんどん低下する。

地方の優秀な学生が大都市部学ぶ機会を奪い、アルバイトと社会貢献事業への「奉仕」に明け暮れる状態にするなら、優秀な人材の供給源は明らかに細る。東京や大阪などの周辺だけの富の再生産が繰り返され、地方の優秀な学生は埋没し、地域社会の疲弊はどんどん深刻になる。国全体としては知的能力はどんどん低下する。あたかも、ピョンヤンに住む高級幹部の子どもばかり優遇される北朝鮮と同じような問題を抱えることになる。

●身分制度である激しい年功序列賃金をやめようというのが最近のあるべき賃金の議論になっているが、激しい年功序列賃金のニーズは子どもの学費を保護者が負担しなければならないというイデオロギー。激しい年功序列賃金がまずいというなら、西欧のように大学を絞って社会が負担するか、英米のように奨学金で大学に通い将来の本人による自己負担する、という方向に舵を切らないと、優秀/優秀でないということより、親の資力で教育が決まってしまう、つまり国力が低下する。そういう観点から、奨学金を絞ろうなんて発想はナンセンスである。

●奨学金という学生ローンが無利子だからと文部科学省が威張っていることについて、赤木智弘氏はtwitterで、デフレ経済の下では返済額を減額しないと利子が付いているのと同じ、と指摘している。その通り。

●取り立て能力も満足にないらしい奨学金の機構が、社会貢献事業への参加なんかチェックできるのか、という問題がある。そんなヒマあるなら、ちゃんと取り立てに必要な人を揃えろということだろう。

奨学金の条件「社会貢献活動への参加」追加へ
 文部科学省は、国費を財源とする無利子奨学金の貸与を大学生らが受ける際の条件について、成績や世帯収入に加え新たに「社会貢献活動への参加」を追加する方針を固めた。

 来年度から貸与者らに文書で呼びかけを開始し、周知期間をおいて数年後の条件化を目指す。社会貢献活動の場の提供に積極的な大学にも補助金などを上乗せする方針。同省は、公費で学ぶ学生に社会還元の意識を根付かせたいとしている。

 文科省によると、短大を含む大学生らに対する学費などの支援は、独立行政法人「日本学生支援機構」が大学を通じ貸与する有利子や無利子の奨学金と、各大学による授業料減免があり、奨学金全体の3割弱にあたる無利子奨学金(2010年度約2549億円、35万人)と授業料減免(同約236億円、7万人)の財源には国費があてられている。

(2010年10月21日07時59分 読売新聞)

|

« 10/20 議員の視察旅行は社員旅行として残せ | トップページ | 10/22 政令指定都市市長会が生活保護受給者に社会奉仕せよと »

コメント

はじめまして。興味深く拝読しております。
この読売の記事、共同通信の記事とはニュアンスが違うようです。同じことを報道しているのだと思いますが。
次のブログをご参照ください。
http://d.hatena.ne.jp/tonmanaangler/20101022/1287748798

投稿: kiriko | 2010.11.01 04:50

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 10/20 議員の視察旅行は社員旅行として残せ | トップページ | 10/22 政令指定都市市長会が生活保護受給者に社会奉仕せよと »