10/20 議員の視察旅行は社員旅行として残せ
議員視察の報告書が盗作だという問題。盗作という点では問題だが、そもそも公費をかけて雇っている議員が、誰も読まない報告書を書くなんてことがばかげている。
議員視察というのは不可解なものだ。議員がぞろぞろ徒党を組んで、近隣自治体でも調べられるような内容について遠隔地に出かけていく。そして、遠隔地は迎え入れる自治体議員・職員がぞろぞろと粗相のないように歓迎する。どう見ても社員旅行でしかない。そう考えたら、地方議員が社員旅行の報告書を書くなんて自己目的化の三段重ねみたいなことはやめるべきだろう。
視察なんて正当化するから話がおかしくなるし、本来の視察は、議員として必要な人がやればいい。調査活動と呼べばよい。批判の高い議員調査費だが、そういう議員のためにあるものだ。
それでも数の論理、違う意見のつきあわせを生業としている議員どうしが旅行をすることに意味はないとは思わない部分もある。それなら議員視察旅行は、そもそも懇親旅行と名前を変え、一般の大企業の社員旅行のように年1回に絞って存続させたらどうかと思う。税金使って旅行するうしろめたさを隠すために視察なんて呼んで、相手先の迷惑になることはやめることだ。その代わり、同僚の腹の中をさぐりあうというのは政治家としてもっとも基本的な仕事なのだから旅行して遊ぶことはあながち無意味ではないので、社員旅行として一晩じっくり議員どうしでほどほどに遊んで腹の中をさぐりあうべきだと思う。もちろん今時の社員旅行みたいに拒否する権利も認めて。
●自治体議員になりたいと思ったこともあったが、4年に1度の選挙のほか、衆院選、参院選、県議選、知事選、市長選に応援にかり出され、また仲間の選挙の応援にかり出され、年4回視察に行くのとその準備、議会中は質問原稿をあげることと数の論理に追われ、議会のないときにはまた日本の有権者の殺し文句「聞いていない」という言葉に振り回されて何の利害関係もないのに偉そうというだけの人にまで「話を通して」おかなくてはならない労力、そんなことをかいま見ていくにつれ、意欲がなくなっていった。
●20代にシューカツとして議員を薦めている人がいるが、私はあまり感心しない。まずは問題意識と運動だろう。シューカツだけで入っては同世代の議員どうしで群れているだけの非生産的な人生を送る。当初はどこにでもあるような怒りに燃えることと政治力のなさのバランスとれてうまくやれると思うが、だらだら3期を越えていくと、自分の固定観念に凝り固まった中での思いつきしか話せない頑固で困った人になるような感じもしている。一方、だらだらしていない人も、逆に根拠のない変な可能性を信じて、より広域の選挙を早々と狙い、自爆する。
そうならないというのは、少し精神を病んだホームレスにさえ対等に謙虚につきあえるぐらい、自分を客観化できる人や、困った人の相談を利権に頼らずこつこつと解決していっている人ぐらいだ。
●議員の視察旅行を廃止せよとか言い出すのかも知れないが、私は上記の理由で全廃は反対。議員年金の廃止だけを声高に叫ぶ人もいるが、厚生年金に加入したり、他のサラリーマンと遜色のない保障が行われない限り反対。理由は、民間中堅企業以上のサラリーマン並みの条件を整えておかなければ、地主と専業主婦と高学歴ニートしか議員にならないし、現に今の地方議会に現役世代からの参入がほとんど行われないから、近所の悪口の言い合いレベルの議論しか展開できない。
政務調査費で視察、報告書はネット盗用 大分の4県議2010年10月21日22時55分
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大仁農場の視察報告書(上)と同農場のパンフレット(下)。そっくりの記述が続く
大分県議会の自民党議員4人が政務調査費で行った県外視察の報告書に、インターネットの旅行案内サイトの文章が盗用されていたことが21日、わかった。報告書を作成した毛利正徳県議(50)は「視察の結果を的確に伝えようとして書き写している部分があったが盗用ではなく引用だ」と話しているものの、出典は示されていない。「報告書は修正する」という。
報告書によると、毛利議員と田中利明(59)、浜田洋(67)、嶋幸一(45)の3議員は昨年4月13、14の両日、静岡県熱海市のMOA美術館などを視察。政調費から宿泊費など計25万4460円を支出した。
報告書はA4判2枚で、うち1枚に「2つほど踊り場を過ぎると、大きな円形ホールに出る。ここがまた、この美術館の見せ場のひとつで、音楽と照明とが同調して、すばらしい色彩の世界が。さらにもうひとつエスカレーターを昇ると、陽光に輝くムア広場に出る」などと書かれている。しかし、これら約200字分は旅行雑誌「じゃらん」のネットサイトの観光案内とほとんど同じ内容だった。
毛利県議によると、報告書は4議員で意見交換した際のメモや美術館の資料を毛利県議事務所の女性職員に渡して作成させた。職員は今年2月、事務所を辞めたという。
毛利県議は取材に対し、当初は「そう(盗用と)言われても仕方がない」とも述べていた。「職員と連絡が取れないので、なぜ丸写ししたかは分からないが、自分で作成しなかったことは反省している」と話している。
また、毛利県議は昨年6月9日、福岡市内で開かれた「福沢諭吉展」を視察。政調費から9310円を支出した。この視察の報告書にも、作家北康利氏の著書から約150文字分を使っていた。
大久保秀典・県政務調査課長は「無断で利用したのか、全体でどのくらいの割合になるのか調べ、政務調査費の支出が適切だったかどうか調査する」と話している。
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