« 8/6 行革じいさんにとって知りもしない福祉国家がムダなのではなくて、福祉を必要としている人が周囲からいなくなってほしいだけ | トップページ | 8/7 樋口恵子さんの講演と昼食 »

2010.08.07

8/7 朝霞市の推進する地域ブランドのずれ

外部評価の俎上に、地域ブランドがのっているので、この際だから、日頃考えていることをまとめておきたい。

朝霞市のやっている地域ブランド推進という政策が、どうもコンセプトからしておかしいのではないかと思っている。

もちろん、地域で作られている製品・商品が、それぞれの商工業者で最善の努力が払われ、それなりの商品になっていることは否定しないし、なかには全国的に一流の技術で作られているものがあることも知っている。

しかし単なるブランドでなく、地域ブランドというからには、何らかの地域性に根ざしていなければならないし、地域社会での人のくらしや人間関係あるいは街によっては歴史に根ざした製品であることが不可欠であるように思う。
ところがどの製品を見ても、ベッドタウンとしての朝霞市民の暮らしから生まれたであろうものはなく、たまたまそれぞれの業者が朝霞で商売をやって作られたものがほとんどである。市民の多くは尊敬を払いながらも、しかし生活の中で、愛着を持って使っている品物は限られている。

役所がやるからには、こうした事業は、商品広告であってはならないように思う。もちろん市長トップにセールスをせよということについては否定しないが、所詮、ビジネスマンでも何でもないただの権力者がセールスマンになってもやれることとやれないことはある。
役所や市長がすべきことは、商品そのものの売り込みではなくて、商品をとりまく環境づくり、すなわち本来はブランド力のある地域にしていくことではないか。武蔵野市や鎌倉市、小布施町など立派な街を引き合いに出すにはおこがましいが、近隣では、地下鉄が来たという外的要因があるにしても、以前は朝霞より未開なイメージのあったにもかかわらず今では地域への愛着心や地域を変えていこうという市民の動きが盛んな和光市などいい例だと思う。
たとえ商品広告を主軸にやっていくにしても、市民の暮らしや人間関係が良くなって、ブランド力のある地域になっていく副産物やメルクマールとして、地域ブランド産品が出てくるという絵にすべきではないかと感じている。

意識調査では朝霞市に住んでいる人に不満足な人は少なくない。そのことで市役所は開き直っている。しかしその意識の多くは、たまたま東京に近いのに、家賃が(相対的に)安いとかそんな、地域と切り離された、下車駅としての評価でしかない。
市民の無意識のところではそんなに朝霞市に愛着や満足があるのだろうかと思うことがいくつかある。
少し所得が増えれば少しメジャーなところに引っ越していくし、有名大学に行った息子・娘は、親の介護の必要でもなければ少し不便な朝霞市に戻って来ない。障害者やときには子どもの保育事情で、板橋区や練馬区に転居していく。いろいろな調査で、市内に友人が2人以上いる朝霞市民は半分以下で深夜、東上線に乗ってからは孤独に帰宅する朝霞市民像が浮かんでくる。
そういう切り口で見ると、とてもじゃないが、ブランド力のある地域になっているとは思えない。まだまだだと思う。

ブランド力のある地域とはどういうことだろうか。
第一には、人間関係が盛んで、さまざまな局面で、市民どうしのかかわりによっていろいろな問題が解決されている状態が必要だろう。そういう意味で、今のように市役所がいつも真剣な情報公開をせず、市民による意思決定をさせない限り、ブランド力など生まれることはない。
第二には、優秀な人が住んでよかったと言って歩いてもらえるような街になること。具体的には多様性への対応であろう。役所に出入りする有力市民発で、少し目立つ市民に対して後ろ指を指したり、陰口をたたくような地域性は、一流の技術者、研究者、芸術家、企業経営者など能力ある市民にとって暮らしづらいし、自らの能力の発揮を抑制せざるを得ない街である。残念ながら、朝霞市はこの点で問題が多いと思うところがある。
第三には、やはり教育や福祉など行政が責任を持たざるを得ない、人を支える行政サービスの水準が問われるだろう。電車で塾に通わせなくてはならないような教育水準では人材流失は進むであろうし、保育でいきづまれば働き者は出て行かざるを得ないし、たまたま障害児を抱えている家族にとって障害者福祉が立ち遅れていれば、さまざまな抑圧に耐えるだけの地域にならざるを得ない。持病を抱えてしまった人にとって満足度の高い医療水準がなければ命のために転居せざるを得ない。この街に助けられたから、この街で何かしたい、と思えるような行政サービスにしていかなければ、他の市の市民の前で引っ越しておいで、と言えるような街にはなかなかならない。

ベッドタウンなのに、東上線の沿線なのに、住宅費が低い割には、そういう前置きのもとに、朝霞市は住んでよかったと実感できる施策が展開されているかどうかが問われている。
残念なことに、行政サービスという点でいうと、コンサルタント丸投げの政策企画力のもとで、凡百で、自己満足みたいな施策しか行われていない。そういうことを直さないと、ブランド力ある地域はできっこないと思っている。

|

« 8/6 行革じいさんにとって知りもしない福祉国家がムダなのではなくて、福祉を必要としている人が周囲からいなくなってほしいだけ | トップページ | 8/7 樋口恵子さんの講演と昼食 »

コメント

まさしくその地域ブランドってのか、方向性が余りに内と外・土着住民と新住民とでズレているのが茨城だったりしますよね。

茨城も「うまいもんどころ」だの「大好きいばらき」だの何とかブランドを売り出しにかかっているみたいですけど、でもそのブランドってのが内輪向けだったりしていて、傍から見れば魅力に欠けるって気がするんですよ。

しかも、「少し目立つ市民に対して後ろ指を指したり、陰口をたたく」(自分もネット上でやられた!)「市役所がいつも真剣な情報公開をせず、市民による意思決定をさせない」「少し所得が増えれば少しメジャーなところに引っ越していくし、有名大学に行った息子・娘は、親の介護の必要でもなければ戻って来ない」「に友人が2人以上いる朝霞市民は半分以下で深夜、常磐線に乗ってからは孤独に帰宅」・・・・・茨城にも当てはまるよなぁ(嘆息

投稿: 杉山真大 | 2010.08.07 22:05

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 8/6 行革じいさんにとって知りもしない福祉国家がムダなのではなくて、福祉を必要としている人が周囲からいなくなってほしいだけ | トップページ | 8/7 樋口恵子さんの講演と昼食 »