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2010.08.27

8/27 徳島で開かれた定期大会の用務

勤務先の労働組合の定期大会が徳島であり、その用務で出張。
最低でも2000人が参加する大会の運営のダイヤグラムを管理し、大会のチェアマンに助言する係。席を離れられないので、大会参加者とのロビー等での交流は物理的に制限されてしまうことが難点だが、ほどよい緊張感のある仕事であった。

●自らの仕事に関係することを書くのは慎んでいるが。
大会冒頭の委員長あいさつで、公務員の非正規労働者の問題に多くの時間を割いて言及。内容も具体的なところに踏み込む。公務員非正規労働運動を担当していたときには、みんな話題にしたがっていたのに、具体的な運動論や組織論になると孤軍奮闘させられた経験を持つので、今回の委員長のあいさつの内容はとてもよかったのではないかと思う。一緒に公務員非正規労働運動を担当したときの上司が隣の席にいて、このあいさつの後に担当したかったね、なんて感想を言う。
毎日新聞等で報道されていた、人事院勧告による賃金カット分については非正規労働者の底上げに、というあいさつのくだりについては、うちが正規職員中心の労働組合であった経験が長いため、大会の参加者にとまどいも多く、のちの討論でそのくだりを後退戦だと批判する意見も少なくなかった。しかし、同じ仕事をしていながら低賃金労働者がいることをいつまでも具体論なく放置すればどういうことになるのか、という問題意識と、制度として公務員制度改革によって公務員に労働協約権が認められ、それぞれの自治体での労使合意で賃金が決まるようなことになっていけば、おのずと今回の委員長の言ったことが、労働運動での敵や伏兵を減らし、必ずしも正規職員にとっての不利益な話ではない、とよくわかってもらえるのではないかと思う。

●脱原発の方針についてきちんと再確認できたこともよかった。何よりもの環境破壊であり、次世代にもっとも負担の大きいつけとなっていく原発をどうするのか、直視することを逃げて、みてくれの空気の清浄さを環境改善と見まがうようなことをしていることが、どう評価されるのか、試されている。

●公務員の人件費にばかり目くじらを立てる人たちからは、非正規とはいえ公務員になんてとんでもないというかもしれない。しかし年収200万円にもならない公務員非正規労働者の賃金が多少上がっても、デフレの要因となる貯蓄には回らず、ほとんど市場に還流し、デフレ対策としても一定有効である。

●書いていただいてあれこれいうのは失礼かも知れないが、毎日の記事、「単組」なんてギョーカイ用語使って、校閲通ったなぁと思う。ギョーカイより外の人には「加盟組合」というのが妥当ではないか。

〈追記〉
●今、言い始めた話ではなく、遠くは1992年、うちの労働組合の位置づけを「地方公務員産別」から「地域公共サービス産別」に変えたときからのテーマであるが、今回、民間委託や指定管理、新しい公共の是非についての議論の中で、NPOで従事している職員の賃金・労働条件の公正さの確保が重要という意見と答弁があった。民間委託というと受託する営利企業ばかりが想定されているが、労働基準法の適用についていまだ是非論がある、NPOや労働者協同組合などの参入も考えられる。新しい公共という崇高な理念を掲げる人たちの中には、半分ぐらい、人件費抑制しか考えない人たちもいるので、そうしたことも、今後はうちの組合にとっての労働問題になりうるんだ、ということを示すよい議論だったのではないかとおもう。
※ 大会前日、委託と公正労働について考えてきた大先輩と、NPOの事務局長をしている友人と、この問題について意見交換したので、タイムリーなことだと思い、加筆した。

徳永・自治労委員長:「非正規と賃金シェア」 勧告で削減分を転用
 自治労(全日本自治団体労組)の徳永秀昭委員長は26日、徳島市で開かれた定期大会のあいさつで、「正規職員と非正規職員が賃金をシェアすべきだ」と述べた。一例として、人事院勧告に準じて地方公務員の正規職員の給与が削減された場合、削減分を非正規職員に配分する方向で労使交渉を進めることを提案。正規と非正規の格差解消に向け、産別労組のトップが具体的な提案をするのは極めて異例で、労働界全体に影響を与えそうだ。

 徳永委員長は、一部の正社員が賃下げを受け入れて非正規雇用をなくした広島電鉄の例を挙げ、「正規・非正規の均等待遇を実現するためには、もう一歩進んだ運動展開が必要な時期に来ている」との考えを示した。

 自治労が09年に実施した調査によると、全国の自治体の非正規職員は推定60万人。特に財政の厳しい地方の町村では、正規を非正規に切り替える傾向が強く、職員の半数が非正規という状況にある。また、非正規職員の6割が正規職員並みに働く一方、定期昇給はなく、各種手当も支払われないため、8割が年収200万円以下の「官製ワーキングプア」とされる。徳永委員長は「非正規職員が搾取されているのが実態」と現状を指摘した。

 だが、公務員に対する国民の目は厳しく、非正規職員の処遇改善のための新たな原資は見込めないのが実情。人事院勧告に準じて全国の自治体が給与や手当を切り下げた場合、影響額は2340億円になると総務省が試算しており、徳永委員長は格差解消へ向けた原資として着目している。

 地方公務員の労使交渉は自治体ごとに行われる。徳永委員長の発言を受け、各単組がどのように取り組むかが注目される。【市川明代、井上卓也】

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