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2010.08.10

8/10 最後の1体までの遺骨収集などできない

民主党は、硫黄島で死んだ兵士の遺骨収集に熱心である。左寄りの思想の議員でも、硫黄島に行き、遺骨収集をしたり立ち会っているという話も聞く。そのことは高く評価したい。しかし今日の菅首相の「最後の1体まで」という言葉は、そういう党の雰囲気を受けて言ってしまったのだろうが、よろしくない。

何というか、組織のないところから上がってきた民主党の人というのは、どうしてこう「一億総玉砕」みたいな言葉遣いが好きなんだろうかと思う。うかつである。こういう言葉遣いを安易にして、無学なヒラ議員を暴走させて、結局現実的でないことがわかったときに、約束や言ったことを守れないで済ますからよろしくない。

最後の1体までなんて政府が言明したら、300年経っても遺骨収集など終わらないだろう。戦争による遺骨は、完全な綺麗な状態のものばかりではない。硫黄島の土を全部ふるいにかけるようなことをして、やっと所期の目的のうち収集という目的は達せられるが、収集して誰の遺骨か明らかにすることは、さらに時間がかかり、身寄りのない兵士などは、遺族による確認もままならない。全力を挙げることはできても、最後の1体まで収拾などできるわけがない。もし可能であっても150年もかけたら、何か意味があるのだろうか。その頃には、よっぽど家系図がしっかりしている遺族以外は、遺族という定義すらほとんどできなくなっていることもありえる。

最後の1体まで収集、という言葉遣いは、戦争という極限状態や、事務的作業を理解できないと思われてしまうのではないかと思う。

遺骨収集に今以上に全力を挙げながらも、遺骨が出ても出なくても国の犠牲者として慰霊をきちんとする、ということではダメなのだろうか。

●同じような言葉が、長妻昭や安倍晋三がやった、年金照合を最後の一件まで完全にやる、というもの。国会論戦や街頭演説の勢いで言ってしまった言葉が独り歩きし、行方不明の年金データの解消が最大の目的となってしまって年金制度を政治的に拘束し、改良程度の年金改革すら国会にかけられない事態にたちいたっている。

くれぐれも指導者、政治家は一億総玉砕みたいな行為が自己目的化するような言葉は慎むべきだ。

遺骨収集、硫黄島から最後の1体までと首相

硫黄島遺骨収集特命チームの初会合であいさつする菅首相(左から2人目、左端は北沢防衛相)=鷹見安浩撮影 政府の「硫黄島における遺骨収集のための特命チーム」(リーダー・阿久津幸彦首相補佐官)の初会合が10日、開かれ、菅首相は「日本のために亡くなった最後の1体まで収集することは、国の責任だ。まず硫黄島の遺骨収集をしっかりし、外国に残された遺骨収集にもつなげていきたい」と述べた。

 会合では、今月19日にも阿久津補佐官らを現地に派遣し、集合埋葬地の可能性がある場所の試掘調査を行うことを確認した。

(2010年8月10日19時46分 読売新聞)

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コメント

菅首相の掲げるスローガン等には、鳩山前首相の大仰さとは別の違和感を感じることがあります。「元気な日本を復活させる」とか無理して前向き・積極的な言葉を使ってるような…。

投稿: horace1225 | 2010.08.11 19:56

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