8/10 有給休暇取得率という言葉
有給使い切る国の1位はフランス、日本は最下位という記事。
そもそも有給休暇の制度はバカンスのためにあり、有給取得=使い切る、というもの。取得率は日本では個々の取得日数の累積数が取得率の計算根拠となるが、外国では、取得者数の割合≒取得率となる。
元の労働基準法では有給休暇を一括して取得することが前提になっていて、分割取得を認めていなかった(労働基準法第39条「使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない」と。「又は分割した」というのが取って付けたような文書になっている)。日本は批准していないが、ILO132号条約でも分割取得を禁止している。
今年度からの改正で時間取得も労使合意で認められることになったが、上限5日と制限しているのも、上記のような考え方があるからだろう。
では有給休暇の分割取得がなぜ横行しているのかということになるが、サラリーマンの勤怠管理と労働行政による有給休暇取得率向上の働きかけが強まり、病気休暇や、私事のための欠勤に対して有給休暇を取得させるようなことになり、分割して取得することができるようになった。一方で、本来は有給休暇で取得すべきバカンスとなるはずが、夏休み休暇のような別の休暇制度が慣習化する。その背景に、実際の労働者の休息権としての取得ができるようになる前に、労働者の権利という言葉のマイナス面ばかりが強調されて空洞化し、それを埋めるかのように社会慣習にあわせてさまざまな細かい休暇制度が整備されるようになっている。
そうなると有給休暇の取得が業務に大きな影響がなくなり、その副産物が経営者に与えられた時季変更権がクローズアップされ、本来の姿に戻す年次有給休暇の計画的付与が制度化されることになる。
外国の通信社が持ち込んだ記事なのに、何か変なのだ。
●法律の正確な変更の経緯を押さえているわけではないので、詳しい方がいたらコメントをお願いしたいと思っています。
有給使い切る国の1位はフランス、日本は最下位8月9日12時35分配信 ロイター
[ニューヨーク 6日 ロイター] ロイターと調査会社イプソスが有給休暇を使い切る労働者の割合を国別で調査した結果、フランスが89%でトップ、日本が33%で最下位であることが分かった。
職場でのスーツ着用率、日本は世界で10位=調査
調査は24カ国の約1万2500人を対象に実施。フランスに続き、アルゼンチンが80%、ハンガリーが78%、英国が77%と高かった一方、日本のほか、南アフリカとオーストラリアが47%、韓国が53%と低かった。
イプソスのジョン・ライト上級副社長によると、所得の高低に関わらず世界の労働者の約3分の2が有給休暇を使い切っている。また、年齢別では50歳以下の若い人の方が有給を使い切る人が多く、「経営幹部クラスでは60%が使い切っていなかった」という。
同氏は「有給を使い切らない理由はさまざまだろうが、仕事に対する義務感の強さが主な理由だろう」と話している。
国別の有給休暇を使い切る労働者の割合は以下の通り。
フランス 89%
アルゼンチン 80%
ハンガリー 78%
英国 77%
スペイン 77%
サウジアラビア 76%
ドイツ 75%
ベルギー 74%
トルコ 74%
インドネシア 70%
メキシコ 67%
ロシア 67%
イタリア 66%
ポーランド 66%
中国 65%
スウェーデン 63%
ブラジル 59%
インド 59%
カナダ 58%
米国 57%
韓国 53%
オーストラリア 47%
南アフリカ 47%
日本 33%
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コメント
お久しぶりです。うちの事業所(保育所)では有給の約半分を消化出来るように努力していますが中々・・・
お盆休みを設定しようものなら保護者からの突き上げを受けたりします。
若い職員にはなんとか最低でも1回の3日連休を取れるように勤務体制を組めるよう努力しています。
でもこれって行政監査でも結構問題になっていることなんですよね。
投稿: リッケン | 2010.08.11 09:24