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2010.07.24

7/24 長妻が雇用均等・児童家庭局長を左遷

長妻昭厚生労働相が、雇用均等・児童家庭局長を課長の天下りポストに左遷。この局長に対しては週刊誌でパワハラが行われていると噂が出ていた。とうとうやったか、という感じ。子ども手当担当室長もリハビリセンターへ異動。

テレビを通してしか知らないが、事業仕分けなどですこしドジっぽい振る舞いの多い局長であったが、しかし攻撃的な仕分け人相手に、保育予算が少なすぎると理解させた功績も大きい。悪いふうに受け止められるかも知れないが、官僚くさくなくて、私は好意的に見ていた。

この大臣は、官僚の前でわざと書類を落として「部下というものは拾え」とかやっているらしくて、国民の代表として恥ずかしい振る舞いが目立つ。
人権感覚が求められる社会保障や雇用担当大臣がこんなのでは、と思う。感覚が悪くて、政策を理解するのに何倍も時間がかかるという話も聞く。社会保障や雇用の非常事態が起きたときには、政権のウィークポイントになると思う。
コンクリートから人へを言ってきた政権の「人へ」をこんな人物に担当させるべきではないだろう。

●こういう政治家を首相や党首候補に推したサヨクブロガーもおったなぁ。

●あるHPでおもしろい表現。
「でもねぇ、あそこの大臣さんは了見が狭くって、「元カレのものは全部捨てろぉ」ってなレベルだから、言ってもムダだよ。若い人たちには、世代間格差なんかを言う暇があるなら、こういう、恵まれた高齢者を不当に優遇して高齢者世代内の格差を拡大する方向への政策の後退に憤りを感じる感性を持ってもらいたいね。」
前半の言葉、この問題にまさに表れている。

●さらに深読みして、長妻氏にとどまらず、民主党の子ども手当政策の方向転換のための犠牲人事ということでなければよいが。

●首相が銀座の事業所内保育所を視察。
この保育所を運営受託した会社は、かつて、規制緩和委員会で、保育所に関する規制撤廃に反対意見を述べた保育園を考える親の会の普光院さんを「既得権益」と罵った人が経営しているところ。いくら都心でも保育所なんかいくらでもあるはずで、そういうところが選定されたのは、政府周辺で保育所に関する規制緩和利権のために暗躍する人物の陰を感じる。税金使わず保育所増えるという詐欺的ロジックに政治家は弱いからなぁ。

●で、首相は「こういう施設があると仕事をしやすいですよね」(共同通信)とコメントしたらしいが、利用者は「家の近くの保育所が理想だが、遅くまで引き受けてくれるところがない」(テレ朝・産経)というのが保護者の真意。企業内保育所は健康保険の問題と同じで、企業内福祉の格差がもろに出てしまう問題。子どもに企業内の人間関係を反映させることもあまりよろしくない。
共働きの当事者が制度設計に関わること、必要な財源確保をすること、それなくして保育所の問題は解決できない。

●保育所に関しては民主党政権に全く信頼感がない。変な経済学者やいかがわしい保育所経営者みたいなのに取り囲まれて、待機児童問題のちちんぷい解決策に騙されていて、まともな議論が通じないところがある。

●松本和光市長が、twitterで。同じプロライター出身で、ライターのときも働き者だったが、こうも違う。
「昨日、我が子の体調不良と家内の不在が重なり本まともに眠れなかったが、やはり夫婦でともに子育てをするというのはすごいことだと思う。ひとり親家庭の不安やご苦労に思いをはせることができた。我が子よ、ありがとう。」
和光市の保育所政策は、待機児童問題が残っている(それでも朝霞よりマシ)ことと、保育料が高めであること以外は、問題なく質が高いと思う。保育所以外の一連の子育て支援政策も高いレベルと利用者満足度を配慮した施策が推進されていると思う。前市長時代からの路線だが、改革派を高らかに掲げる松本市長になってからも、保育政策を政争の具にせず、必要なことを一つ一つ手当するかたちでの暫進的な改革を進めているからだと思う。

厚労省局長、独法研究職に 長妻大臣「降格ではない」2010年7月23日22時9分朝日新聞

 長妻昭厚生労働相が23日公表した厚労省の幹部人事で、子ども手当担当の伊岐典子雇用均等・児童家庭局長が独立行政法人の研究職に異動することになった。事実上の降格人事で、子ども手当の支給をめぐり長妻氏の不興を買ったことが背景にあるとされる。

 伊岐氏の異動先は、労働政策研究・研修機構の統括研究員。役員ではなく、本来は本省課長級が行く平ポストだ。

 この人事について、長妻氏はこの日の会見で「降格ではない。一定の範囲内での適材適所の人事だ」と説明した。ただ、周辺は「在日外国人の子どもへの支給問題で大臣の怒りに触れた」と指摘する。国会審議では、在日外国人が母国に残した子どもも支給対象となることが問題化。施行後も対応に追われた責任を取らされた、というものだ。

 先の通常国会では、子ども手当法が予算関連として09年度中に成立し、児童扶養手当法改正案も通していることから、省内では「担当局長として申し分ない働き」という評価だ。従来の児童手当でも在日外国人に同様の支給がなされており、長妻氏の「過剰反応」とも言える。

 子ども手当の担当室長も国立障害者リハビリテーションセンターの研究職への異動が決まっており、事実上の更迭人事とみられている。

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コメント

長妻明はリベラル系に随分ウケがいいんですよ。
左派ブログでも「前原は嫌いだが長妻は好き」って人が多くて。

それで以前、ある防災行政の人から聞いた話を思い出しました。災害の最中、科学技術庁長官だった中村喜四郎が来たそうです。
その時の態度が、まあこれが直属でもない職員に対しての言葉づかいか、というほど無礼千万で、帰った後「塩でも撒いとけ!」と声が上がるほど、その部署は激怒の渦だったそうです。

政治家ってのは、票をもらう相手にはひたすら低姿勢ですが、官僚とか公務員とか、自分の下に位置する人間に対しては奴隷のような扱いをするという好例です。

投稿: 飛び入りの凡人 | 2010.07.24 20:05

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