7/2 保育所の規制緩和派は、質はともかくオレにも補助金くれと言っているようなものだ
今日、私の勤務先の労働組合の組織内候補の屋内集会で、都議会議員の松下玲子さんが応援に来ていただいた。
話の中で、自らの子育て体験を引き合いに出して、保育スタッフの賃金を下げて良い人材による保育ができるのか、安心の社会保障のためにがんばってほしい、というようなコメントをいただいた。
短絡的な保育の規制緩和やコスト切り下げがよろしくないという体験を表明したもの。当事者になってみないとわからないことだ。
●保育の規制緩和せよ、と叫ぶ経済評論家やベンチャー保育事業家は多いが、保育事業の参入は市町村への届け出だけでできる。規制も何もない。事業を始めるなら誰でもできる。
規制緩和派の彼らが言っているのは、基準に満たない保育園でも補助金をくれ、その補助金を本来の使途でないもの(配当金、内部留保、役員報酬)に使わせてくれ、と言っているに過ぎない。そのために待機児童問題と新自由主義の経済理論を利用しているに過ぎない。基準もルールもないで税金をくれる制度など作れるわけがない。
基準に満たない保育園でも基準に満ちた保育園でも同じ補助金なら、誰もバカバカしくて基準に満たない保育園しか運営しなくなるだろう。
補助金を本来の目的外に使えとなれば、人件費の塊の保育所で、ただでさえ低い保育スタッフへの賃金を経営が搾取して配当を出したり、内部留保にしたり、他の事業に使ったりしてもよいということだ。これはまさに事業仕分けなどでやり玉に挙がった、補助事業による委託先企業役員の厚遇や補助金のピンハネにほかならない。
結局そういう変な下心を隠すために、公立保育所批判というのが利用されている嫌いがある。
●厚生労働省の幹部が、保育制度の改革が、介護保険の導入のようにうまくいかない、介護保険のときには先取的な運動をした団体が保育になると現行制度を守れになってしまう、と嘆いているらしい。
介護保険制度になって、必要な予算が手当されていないために、給付制限になる、低賃金労働を前提にして制度設計したのでスタッフが居着かない、過酷な労働をさせられている。そうした現状が放置されている以上、保育制度を介護保険制度のようなドラスティックなものに変えるということに合意が取れないのも当たり前だろう。
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コメント
この記事へのコメントではないのですが、保育関係で鈴木亘氏がこんなことを言われているので是非お読み頂き感想をお願い出来ればと思います。個人的にはとても不愉快な内容ですが。http://synodos.livedoor.biz/archives/1498293.html
投稿: greentea | 2010.09.07 19:03