7/12 保育所モンスターペアレントに関する適切な報道
NHKの朝のニュースで、保育所のモンスターペアレントに関する報道があって、非常に冷静で良い内容であった。
これまでのモンスターペアレントは、こんな異常な親がいる、とセンセーショナルに取り上げるだけで、行政にものを言うことすべてモンスター扱いされかねないような取り上げ方であった。
今回の報道では、モンスターペアレントが発生する原因を検証した尾木直樹さんの調査を紹介し、尾木さんのコメントとして、預ける保護者の職場が過酷になっていて余裕がなくなっていることに原因が大きい、と指摘していた。新古典派経済学全面展開の社会になって、金儲けが何よりの価値となった職場がモンスター化しているということである。
保護者の保育参加で保育所の実情を知ってもらってモンスター化しないコミュニケーションのあり方を模索している品川区の事例も良かった。
一方、苦情対応ということで、ISO規格を取得しようという取り組みが紹介されていたが、これはどうかと思ったりもした。コミュニケーション不在のドキュメント管理みたいな仕事の仕方が、人間をモンスター化させるのではないか。
●問題は、保護者の要求や苦情が適切であったときに、保育所が変化できるかどうかということだが、民主的な職場、協力的な職場環境、公立保育所であれば市役所の本庁担当部門が迅速で経営感覚のある適切な判断能力があるかどうかが問われる。しかし本庁の担当者は、近年の公務員志望者の増加で公務員試験に得意な法学部出身者が多く福祉分野の教育を必ずしも受けているとは言えない。短期間で福祉とは全然関係のない部門との間で異動してしまうため、なかなかそうした能力が蓄積されず、文書で引継ができるルールはともかく、感覚的な判断能力が持てないでいる。
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