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2010.05.30

5/30 スウェーデンの若者の政治参加を学ぶ

18歳選挙権の実現をめざすNPO、Right'sのスウェーデンスタディーツアーの報告会に行く。

5月2日~9日まで、この団体がスウェーデンでの青少年の政治参画の現状を見てきた報告で、非常に興味深いものであった。話を聞いたのは、スウェーデンの政府の青少年担当部局、スウェーデンの青少年団体、スウェーデン社会民主党の青年部。

政府については、模擬投票、学校での政党による説明会の実施、青少年に対する政府事業への青少年の自己決定の拡大など、観念的ではない非常に具体的な政治参画を実現していることが報告された。政治的中立ばかりにこだわり、中身のない公民教育しかされていない日本の若者に対する有権者教育、自己決定権を否定し犯罪予備軍として管理と封鎖か、せいぜいのところ恩恵の福祉しかしない青少年政策を裏返す話ばかり。
政治を教育するのに中立的情報の垂れ流しだけで良質な民主主義なんかできないだろ、と思っていたところ、ぴったりする話。

スウェーデン社民党の青年部の話も面白い。普通に政党に青少年が入るといい、政党の方針に公然と違う政策を訴えることもあるらしい。

大事なことは青少年政策が、一人の社会の構成員として大事にすること、自分たちの利害のために話し合いによる民主主義を重視することのために行われていること。

そんなことを噛みしめていて気づいたことは、日本で青少年がんばれと語られるときには、話が世代交代みたいな話になるからダメなんだと。
民主党の小沢対若手議員みたいな話が象徴的だが、世代交代の話になるから、消耗戦になり、もっと下の世代は、発言の場すら奪われるということになりがち。
打倒できる青年になった頃にはオヤジになって、後輩を圧迫するという悪循環になるだけだし、世代間抗争ばかり話題になって、オヤジも若者も社会の構成員として対等な関係で資源の分配について調整をするという発想が生まれない。

大事なことは、青少年を社会の一構成員として、調和のシステムと自己決定の場に引っ張り出し、社会の一員であるという帰属意識を持たせることだと思った。

●おとなりの席が、人事コンサルタントのJ氏だった。J氏にとって非常に有益な話だったと思うが、疲れていたのか眠そうだった。そういう態度だと、労組官僚に負けるぞ、と思ったりもした。

●社民党が連立離脱した。この党の党内民主主義は、平和問題になると際限のない過激な方向に走っていく。過去何度も、重要な場面で、平和問題の違いだけを突っ張って、チャンスをふいにして小政党に転落していった。1992年、PKO国会の無様な展開は、アルバイト秘書として目の前で見ていたので、本当に情けなかった。
どうも旧社会党・現在の社民党の地方組織は、中央組織に対して、異物のように扱い、突き上げる対象としか理解できていないようだ。だから無責任に、後先も考えずに、強硬路線を言いっぱなしで済んでいる。会議のスタイルもそう。中央組織に文句言うだけ言って、中央組織の執行部に答弁権はあっても反問権がない。突き上げた者勝ちである。

今回、主体的に連立離脱を選択し、残留できる辻元氏まで辞表を提出したことで、今回の顛末の責任は、社民党もかぶったことになってしまった。まことにまずい判断ではないかと思う。鳩山に罷免させて、鳩山氏の責任問題にしておくべき範囲のことだと思う。そういう冷静な判断ができず、過剰反応としか思えない。政権内で文句を言い続けることが重要だと思うのだが。同じ社会民主党なのに、どうもこんなにお粗末なのかと思ってしまう。

●日本の社民党青年部は、社民主義を通り越したイデオロギーごりごりの人か、社民主義なんて何かわからないような情緒的平和主義かフェミばかり。ときには、労組を敵視していたりする人もいたり、困ったなぁと思う。
ヨーロッパ標準の社民党になれないなら、早く看板を変えてもらいたい。参加と民主主義と公正な社会めざす日本の社民主義者にとっての目の上のたんこぶである。

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コメント

社民党に関してまったく同意見です。

連立政権に入ったのなら、是々非々で意見を出していけばいいのに、ひとつの方向性の違いにこだわってすべてを投げ出すのはおとなの対応ではないと思います。

特に社民党と国民新党は、民主党経済右派(新自由主義派)からの防波堤となっていたので、こうした感情的な決定が、いかに日本の民生活動にマイナスになるかと、大局的な見地に立つことができないことを情けなく思うばかりです。

投稿: 飛び入りの凡人 | 2010.05.30 22:27

社民党青年部?
社青同とは一応別なのかな。先日、私の組合のオルグに専従になった知り合いの社民党員で元社青同活動家が来ていたけど、今の組合(連合系)とは思想が合わないから、思想は押し隠しているそうだ。

「職場で抵抗するのが運動じゃなかったのか?」と冷やかしてやったら、「バーカ、思想は思想、組合は組合」と「ご飯とケーキは別腹」みたいに言われた。

おまけに専従期間が終わったら、会社の準管理職に昇進することが決まっているらしい。大した社会主義者だと思いました。私の身近な社民党員なんてこんな感じですよ。

投稿: いつもは | 2010.05.30 23:50

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