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2010.05.02

5/2 個人献金を増やせというだけの政治資金の改革案ではダメという話

ネット献金が不調という結果。だからやめるべきとは思わないが・・・。

企業団体献金の禁止から始まって、政党助成金まで叩く風土が強まっているが、政治の運営コストを誰が払うのか、これまでの社会合意をきちんと呑み込んで議論に参加しないで、感情論だけでやっていると、ろくなことにならないというのが、足かけ20年近く政治の現場で自発的に政治参加してきた私の感覚。この日本で、個人献金なんて、金持ちのお友だちどうしの同志的紐帯があるときか、しがらみの友だちしかなかなか出してもらえない。そういうことが現れたネット献金の結果だろう。
余談になるがマンパワーも同じ。旧社会党の時代はそれでもイデオロギーなどのこだわりで無償で手伝う一般市民の党員やシンパというのがそこそこいたが、イデオロギーがなくなっちゃった民主党になって、候補者の親族、同級生の他、同僚、支援企業の社員以外の一般市民で応援してくれる人がなかなか見つからない。
人ない、カネないの政治家が官僚に対抗し、次の選挙への緊張感に追われる中で、小沢一郎氏のような縛って面倒見てくれる親分にすがるしかない政治家は増えざるを得ない。

話を政治資金に戻すが、政治家に寄附するカネがあったら、良いことやっているNPOが寄附集めに苦労するとは思えない。そういうと個人献金を集める困難さは理解してもらえるだろうか。

もちろん今後も個人献金を増やしていく努力を政治の側がしなくてはならないが、あまりにもそのための労力がかかるあまりに、基礎的な有権者への活動報告や、有権者とのコミュニケーションや政策研究の時間、自らのやりたいことを通すための政治的地歩を固める仲間作りなどがおろそかになってはいけない。

また有権者には寄附のできない人もいる。そういう人の意見を聞く努力が後回しになってしまってよいのかということもある。

そういう状況で、政党がある程度、しがらみのお金から自由な立場を確保するために、いろいろ言われながらも政党助成金は継続しながら、政党の運営の透明化、民主的手続きの明確化、シンクタンクの充実などをやっていくべきなのではないかと思う。問題は、政党の財政や運営が不透明で、政党の政策決定過程が不透明で、政党の価値判断基準となる理念が不明確だから、政党助成金が公的な価値があると理解されないのだろう。

しかしなくなってみれば、企業団体献金(企業団体献金を禁止しても実質的な企業団体献金は消えないだろう。公共事業を請けている会社の社長の個人献金は、政治的な効果は企業団体献金と同じである)に頼るしかないというのがこの日本のお寒い献金事情である。

ネット献金、議員トホホ…登録すれど額伸びず

 インターネットを使った個人献金を採用する国会議員が増えている。

 2008年米大統領選では、その集金力に注目が集まったが、まだ課題が多いようだ。

 民主党の三村和也衆院議員は、企業・団体献金を受け取らず、収入のすべてを党からの政党交付金と個人献金に頼る。

 個人献金の多くはホームページ(HP)経由で、08年9月から今年4月までに124件、計138万円を集めた。有権者はHPから、銀行振り込みなど3種類の献金方法を選べる。その一つが、ネットショッピング大手「楽天」運営の献金専用サイト「LOVE JAPAN」だ。

 献金したい政治家を選んで、金額などを入力するとクレジットカードで決済される仕組みだ。事務局によると、三村氏ら161人の現職の衆参両国会議員が登録。「民主党の『政治とカネ』の問題が話題になってきたころから、登録者が増えてきている」(担当者)という。

 小沢幹事長の資金管理団体を巡る政治資金規正法違反事件、労働組合絡みの同党議員側への違法献金事件などが相次ぎ、企業・団体献金の全面禁止の議論が高まった。これが実現した場合に備え、個人献金の道筋をつけておきたいという心理のようだ。

 また、日本経団連が政党に対する献金への関与取りやめを発表するなど、企業・団体側にも意識の変化が見られる。

 ただ、有権者側の反応は鈍い。同サイトが運営を始めた09年7月からの献金申込数は627件。三村氏が集めたのも、138万円のうちの1万6000円(5件)だけだ。早くからネット献金に取り組み、知名度もある自民党の世耕弘成参院議員でも、数万円というのが実情だ。

 総務省の調べでは、総務相と各都道府県選管届け出分の政治資金収入に占める個人献金の割合は、08年で12%(表=「その他」はパーティー券売り上げや借入金など)。

 世耕氏は「米国などと異なり、個人献金の習慣がない」ことがネット献金伸び悩みの理由と見る。日本大学法学部の岩井奉信教授は「ネット献金は個人献金の入り口の一つ。政治資金の透明化のため、国が制度面で整備を進めることも必要だ」と指摘している。

(2010年5月2日09時04分 読売新聞)

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コメント

そう言えば、選挙公営までもが槍玉に挙がっているんですよね。こんなブログまであるし。
http://blog.goo.ne.jp/tokoton123

投稿: 杉山真大 | 2010.05.13 11:44

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