5/17 試論・NPOへの企業・団体献金を禁止せよ
企業・団体献金がいけないという世論一色である。抵抗しているのが亀井静香だからまたいけない。
その批判は、企業・団体献金は色つきだからいけないというもの。もちろんそうだろう。
ところが、NPOへの企業・団体献金については、まったく誰も批判しないどころか、減税までして奨励せよと言っている。
もちろん、政治家には職務権限に近い権力があり、NPO経営者に職務権限がないと言う言い方もできるが、しかし、「新しい公共」などと言う中で、貧乏だけども新たな公的権力がそこには発生しつつあるところ。貧乏と言えば政治家も大半は貧乏である。一方、NPO経営者の肩書きで、かつての財団法人理事長のように、政権内部に入り込み、自らに関わる利権を動かすような政策活動をしているNPO活動家もいる。
そうした中で、NPOが受け取る企業・団体献金が綺麗だなんて言い切れるはずがない。企業に政治的恫喝を与え献金を集めているというシー・シェパードのようなNGOもある。
NPO・NGOだから綺麗とか、政治家だから汚いとか、ツールのイメージで語るのではなく、どういう寄附・献金が良くて良くないか、献金した側と受け取った側の関係性についての運用ルールを確立する方が重要だと思う。
「新しい公共」を担うNPOへの企業・団体献金を禁止せよ、という暴論から、政治家への献金規制のあり方について冷静な議論が必要ではないかと思う。
●マスコミが小沢一郎の政治資金疑惑でまた騒いでいる。説明責任を繰り返しているが、小沢氏は説明をしている。それをしていないというのがよくわからない。被疑者が無罪を証明するのは難しく、近代法では、摘発する側が証明すべきとなっている。マスコミも事実を調べて有罪なのか無罪なのか報道すべきではないか。
●元々悪そうなイメージの強い小沢を切っても民主党の支持率は上がらないと思うが、鳩山首相については、統治能力が疑われていて、ちょっとやそっとでは支持率が上がらないように思う。人に聴いた意見が上書きされて説明するのがバカバカしいというような鳩山氏の資質が新聞などに書かれている。
昨日あたりの新聞各社の世論調査の数字では、民主党が29の定数1人区と、複数擁立し多くの政党公認候補者で争う3人区、5人区、比例区では惨敗する可能性がある。ふみとどまって頑張って、自民党に政策のあら探しをされ、譲歩し続ける6年間にするつもりだろうか。
●高橋伸夫「組織力」を読む。あまりにも選挙技術にばかりに関心が向き、長期的人材育成と長期的視点での政策形成ができない民主党や、「若手議員」の弱さがよくわかる。そういう観点から、乱立新党も、これから生まれ変わるであろう自民党も同じ穴のむじなである。
●鳩山首相がよく「覚悟」を示して、言ったことに上書きされるから、みんな政治に関することは何も信用しなくなっている。
「覚悟」や「決意」を口にするときに、全財産を放棄する決意をしてくれたら、信じたいと思う。覚悟というのは生きるか死ぬかの境目を歩くようなことを言うわけで、失業した方が豊かな生活できるような人に覚悟があるとは思えない。
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コメント
全く同感です。2000年以降、最初から役人とのパイプありきで委託事業をあてにして設立されたNPO法人が多く、普通に株式会社では自信がないから社会的企業家という中途半端な立ち位置にいる、経営としても人の質としてもあまりにレベルの低いNPO法人がなぜもてはやされるのか。それはマスコミも研究者も政治や行政も、解決策に乏しいから無難にNPOでお茶を濁しているだけでしょう。CSRと体よく有名企業と連携して寄付してもらい、あたかも信用力をつけているように見せる。NPO法人によるロビー活動や役人への接待まで横行していますね。ヤクザというわけでもないから、なおたちが悪いです。
投稿: 小林美希 | 2010.05.18 01:05