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2010.05.16

5/15 周辺的正社員の問題についてのシンポジウムを聴く

午前、子どもを病院に連れて行き、午後、明治大学で行われた「『ブラック会社』で働く若者たち~周辺的正社員の明日~」を聴きに行く。

「ブラック企業」と正社員と言われて雇われて酷使され使い捨てされる「周辺的正社員」の問題について、熊沢誠さん、本田由紀さん、今野晴貴さん、遠藤公嗣さんによるシンポジウムと会場との意見交換。

非正規労働の問題のネガとポジで浮かび上がってきた「正社員」には無制限な「職務命令権」を持つ日本型雇用の克服が課題というテーマと、若者がどのような構造におかれどのように問題解決に動くかがテーマ。

本田さんが、若者全体に能力主義が共通の価値観になっていて、そこで認められると自認している若者は個人主義的に問題解決しようとし、認められないと思いこんでしまった人は反発や怨嗟となっていく構図を説明されていた。

熊沢さんは、ブラック企業が蔓延する今日的な全体状況を話され、今野さんは、それらをミクロで対応してきた経験からパワーハラスメントを通じて退職を強要していく日本の雇用の問題点を指摘されている。その中で、解雇を自主退職にして雇用保険の受給権すら侵害している日本の企業の身勝手さを指摘しているところに、うなづかされた。

遠藤さんは、同一価値労働同一賃金にしない限り正社員は社畜的労働から解放されない、日本型雇用を棄て職務給の導入をすることで転勤異動は本人同意、長時間労働は拒否できるようにならないと、日本社会は破局に近づくというような話をされた。

●同一価値労働同一賃金ということは、職務給への移行を意味する。ところが公務員においての職務給の話になると、能力主義の職能給みたいなイメージで語られることが多い。
職能等級ではなくて、個別の仕事に対して賃金が決まる考え方で、水準はともあれ、臨時・非常勤職員の賃金体系に移行するということになる。
臨時・非常勤職員の救済策として公務員に短時間職員を入れるときに、能力評価がないから昇給はなしと総務省は定義している。しかし、公務員制度での能力評価といのうは昇進の観点のみ。それは臨時・非常勤職員を短時間職員制度で救済するのではなく、正社員問題を持ち込んでしまうことになるだけではないか。

●定期昇給がない、少ない雇用というのを日本人が認められるかどうかが問われるように思うし、その背景には、男が主に稼ぐべき、という男女関係と職場意識と社会の呪縛を解放することが必要。
春闘の賃金カーブの維持という方針についても、問われることになるのだろう。一方で、保育、介護、医療、教育の社会化を進めていくことが一層必要。そのための財源確保も必要。負担増になるが長期的にはその方が持続可能性のある社会になる。

●職務給へ移行すれば、労働組合のあり方も変わる。
当然企業内労働組合が最も力を持つ労働界の構造を、産業別労働組合が力を持つ構造に切り替えていかなくてはならないのだろう。同じ仕事の賃金を同じにしていく、という基本が崩れてしまうからだ。

■第128回研究会(10年5月) パネルディスカッション
「『ブラック会社』で働く若者たち~周辺的正社員の明日~」

*と き:2010年5月15日(土) 13時30分~17時
*ところ:明治大学リバティタワー
 (JR「お茶の水」駅下車。明大通り南へ、徒歩数分)
 明治大学リバティタワー(駿河台キャンパス)へのアクセス
※5月例会は東京開催です。大阪での例会は行いませんのでご注意ください!
*参加費:500円(当会の会員は参加費無料)
*パネラー:遠藤 公嗣さん(明治大学教授)
      今野 晴貴さん(POSSE編集者)
      本田 由紀さん(東京大学教授)
      熊沢 誠さん(「職場の人権」代表)
*コーディネータ:樋口 明彦さん(法政大学教員)


 「ブラック会社」とは、過酷な仕事量、極端な長時間労働、常態としてのサービス残業、横暴な上司などを指標とする、労働条件の劣悪な企業のことです。最近上映された映画、『ブラック会社に勤めているんだが、もう俺は限界かもしれない』が、若者たちの間で熱く語られています。

 また、周辺的正社員とは、POSSE誌の調査以来知られるようになった、大企業の中核正社員のもつ「特権」から無縁な、雇用保障も昇給もキャリア展開もおぼつかない「しがない」正社員のことです。

 この間の両者の普及をみれば、「非正規労働者を単に正社員化すればよい」という政策志向のいい加減さが浮かび上がってきます。もちろんこの層の存在自体が、非正規労働者の状況と相互補強関係にあることはいうまでもありません。今回、この周辺的正社員の状況に瞳をこらし、労使関係・労働法の課題を第一線の研究者、現場の方々に議論していただきます。ご参集ください。


※研究会「職場の人権」/明治大学労働教育メディア教育センター共催

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