5/1 小沢幹事長を排除すれば解決できると考えることの無意味
都内某所で、前衆議院議長の政策秘書の方が主催した学習会に参加して15分お話をする機会をいただく。多様な方々とお会いして非常に面白い時間を送る。懇親会では労働組合の職員に接するのはみなさん初めてのようだが、興味津々でいてくださって、よかったと思う。
話は、普天間問題と、次の参院選で民主党が勝てるかどうか、鳩山首相は辞めるか辞めないか、小沢一郎を排除すれば民主党が良くなるのかということに移る。
私以外の参加者はそれぞれの世界で一流の仕事をされている人たちで、私のように地上軍で働いている人間の話を聞くのは珍しかったみたいで面白がって聞いてくださった。
私は昨日の記事にも書いたように、多様なDNAを整理せず渾然一体に残してきた民主党がまとまるためには、鳩山氏のような誰にも拒否されない真空のような人物か、小沢氏のような誰もが黙らせられるプレッシャーをかける人物が党を支配しないとまとまらない。それをやめることができるのは、他党とこれは違うという理念の確立と、自由な発言にもとづく民主的統制が取れる組織原則が民主党議員に共有されたときで、まだまだその時期は来ないと言った。枝野氏のように、小沢氏を排除してらっきょうの皮むきみたいなことやってみたところで、一瞬綺麗になっても、それで党がまとまらない以上、また同じような問題を抱える。問題が起きるたびに党から人を追い出せば、やがては粛清が党の習わしになってしまう。最後は人材が枯渇した社会党の二の舞にもなる。
例え小沢氏を排除したところで、第二、第三の小沢氏のような人が、それも中堅若手議員の中から小沢氏よりかなり強烈なかたちで出てくるとも指摘させていただいた。
問題は、こういう危機的状況に過半数を取れるという予測が全くでない自民党。党首も幹事長もまじめなのだが、野党になって新しい理念をうち立てられないこと。新自由主義のイデオロギー政党で行くのか、穏健な保守主義による国民政党でいくのか、まったく腰が定まらず、公務員労組に対する妄想みたいな批判することしかできていないことが、民主党の緊張感を奪っている。
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コメント
非自民の人たちの考え方は、いい意味でも悪い意味でも純粋すぎるのかも知れません。
悪い細胞を切り取ってしまえば、きれいで良い身体に戻る、実に単純明快にそう考えているのではないかと思います。
旧来自民党には田中角栄をはじめ、金丸信、野中広務といった黒幕政治家がいて、彼らは批判されましたが、党としてのまとまりを持っていました。
彼らがどれだけ批判を受けようが、選挙では非自民を蹴散らしてきたのです(当時、社会党と共産党が対立していたという幸運もありましたが)。
小沢氏が退陣したら、求心力を失った民主党は基調社民主義派と基調新自由主義派に分裂するように思えます。
純粋すぎるというのは政治の世界ではマイナスになることが多いように思われます。
前回エントリーの、新自由主義に反対しているはずの市民派がなぜ新自由主義政党であるみんなの党を推すのか?
彼らは純粋なんでしょうね。悪い官僚をやっつければ良い社会になると思い込んでいる。川田氏などはそこにつけこまれたように思えるのです。
投稿: 飛び入りの凡人 | 2010.05.02 00:03