4/8 NPO減税したからって善政やっていると自己陶酔するんじゃない
税収が足りなくて、保育料を上げろとか言っている政権が、NPOの寄附の税金の半分を補填するなどというばかげた案を考えているらしい。
NPO団体への寄附を減税で支援しようというやり方は問題ではないかと思っている。同様の危惧は浅野史郎とんもお持ちであった。
減税=政府の干渉が少なくなるという勘違いをされたら困る。一般的な減税ではなくて、政策減税は、特定の政策に対する裏補助金である。今回の場合、寄附集めの上手いNPOには、同額の税金の補助金をやる、と言っているに等しく問題ではないかと思う。また減税を受けるためには寄付先のNPOが税務署に認定される必要があり、それ自体が政府からの干渉になる。
NPOがやっていることの意味よりも、いかに「見せ方」宣伝上手になるかが問われるようになる。
また、金持ちが気前よく出しやすいNPOの資金集めが容易になる一方、金持ちが理解しにくい問題に取り組むNPOの資金不足は続くし、さらにはそうして税金が気前よく負けられて財源不足となれば、理解されにくい人たちへの問題に取り組むNPOに出されていた補助事業をうち切らざるを得なくなるだろう。
税金が足りない足りないと言われて、高コスト体質だ何だと行革の対象に選ばれては防戦にあけくれ、保育園の整備をずっと待たされている側からは、何やっているんだかわからないNPO団体に、本当に気前のいい話でうらやましいというか妬ましいというか。
●この政権、公的な事業をどんどん縮小する割に、現金給付のオンパレードと、減税の大盤振る舞い。国民に何でも使える現金を渡しておけば、という発想は、政策に対する価値判断をしたくないんだろう。
一方で、減税の拡大は租税特別措置法の拡大となり、税制をわかりにくくし、不公平感を煽る。そもそもそんなに多額の税金を払っていないこの国の人に減税をするのりしろは少ない。
NPOへ寄付「半額分減税」 首相、来年分から適用表明2010年4月9日22時31分朝日新聞
鳩山由紀夫首相は9日、国が認定した特定非営利活動法人(NPO法人)に個人が寄付をした場合、寄付金額の半額相当を所得税から差し引く方針を表明した。寄付に対する税制上の優遇措置を拡充することで、まちづくりや福祉などを担うNPO活動を支援するねらい。来年分の所得税から適用する意向だ。
首相は同日開かれた「新しい公共円卓会議」で、「市民の草の根の寄付に、政府(の負担)も同じ割合で1対1がいい」と述べ、いったん計算した所得税額から差し引く税額控除の割合を、50%程度とする考えを示した。
NPOに1万円を寄付した場合、所得税額から5千円程度が減税されることになる。首相はまた、この仕組みを適用する上限額を所得税額の25%とする考えも表明した。
税額控除の導入は、制度設計を担う政府税制調査会が8日に決定。現在、税額控除は政党や政治団体への寄付金に導入されており、2千円を超えた額の30%が対象となっている。政府税調は、NPO法人も「30%かそれを上回る水準」で調整を進める考えを示していた。首相の方針を受け、政府税調は早急に具体的な制度設計を始める予定だ。
また、社会福祉法人や学校法人などへの寄付にも、NPO法人と同時期に税額控除の仕組みを導入する方針。税額控除の割合をNPO法人と同じ50%程度にするかどうかは今後、調整する。
税額控除を導入し、NPO活動を促進する寄付税制は、行政サービスに代わる「新しい公共」を掲げる鳩山首相の看板政策。これまでは、所得金額から寄付額を差し引く所得控除方式しかなく、税率の低い中低所得者が寄付をすることへの恩恵が少なかった。(伊藤裕香子)
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