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2010.04.23

4/23 高橋史朗前県教育委員の問題ある発達障害児への見方

高橋史朗前教育委員が、産経新聞の取材に対して、発達障害児は治療するものだとか、人間性を回復できるとか、当事者やそれをとりまく人たちが聞いたら泣きたくなってしまうようなことを言っている。

【解答乱麻】明星大教授・高橋史朗 豊かな言葉がけ見直そう

高橋氏の得意な、科学と非科学を断片的につなぎあわせて、自分の都合良い「日本人の古来からの教育」イデオロギーに仕立て上げている。この偏向教授の善意からの差別主義にびっくりする。

親ががんばれば発達障害は完全に治るというウソ情報は、発達障害児の親を余計に追い込んでよろしくない。

詳しい批判はこのブログに詳しいのでご覧下さい(文中にある特別支援教育にすべきという点については異論がありますが)。

●埼玉に上田県政が続く限り、この高橋氏が塾長を務める師範塾を出た教員が埼玉県のエリート教員として採用される。教員募集倍率の低下とともに、師範塾出身の教員が取り立てられることで、悪貨が良貨を駆逐するようなことにならなければいいと祈るばかりだ。

●上田知事が政治塾を開講。八ッ場ダム推進の上田党増殖作戦か。

●産経新聞は安倍政権になってから報道の正確性に疑問符がつくようになり、民主党政権になってから焼きが回ってきたような感じ。何でも民主党批判と日本の伝統回復に話を結びつけて話を進めるので情報の信頼性ゼロ。つまらない記事でも読者が情報の裏取りしなければならない。
かつて共産国や革新政党が混乱すると最も正確な情報が出ていると言われた価値はなくなっている。中国報道で朝日新聞の権威を引っぱがした力は昔の栄華。かつて私も社会党の議員の派閥を確認するのに産経新聞の縮刷版をずいぶん活用させてもらったが、今ではそういう価値すらない。

【解答乱麻】明星大教授・高橋史朗 豊かな言葉がけ見直そう 産経新聞 2010.4.19 00:40
 さいたま市教育相談センターの金子保所長によれば、同市内の6つの幼稚園で2歳で発語がないか、言葉が増えない子が半数もいることが保護者への調査で判明した。

 埼玉県教育委員会が平成17年に発表した調査によれば、通常学級に在籍する特別な教育的支援の必要な子供は、小学校で11・7%に及んでいる。

 金子氏によれば、発達障害の子供の不登校や軽度の自閉症の子供が増えており、予防により施設やスタッフにかかる予算面など莫大な効果が期待できるという。

 ちなみに、特別支援を要する子供が1割を超えるアメリカでは、障害者法によって、障害の程度と性質を勘案した個別プログラムが策定され、それに準拠した教育サービスの提供が義務づけられている。そのための教育予算の不足が問題になっている。

 金子氏の実践によれば、発達障害は2歳までに発見して対応すれば治り、3歳までなら5分5分、4歳以上では困難になるという。

 脳科学に基づいて発達障害児を治療指導している澤口俊之氏は、発達障害は、「HQ(人間性知能)障害症候群」で、HQを伸ばす方法によって、ADHD(注意欠陥多動性障害)は確実に改善すると断言している。(澤口・金子氏ら共著『発達障害を予防する子どもの育て方』メタモル出版)。

 玉川大学脳科学研究所の塚田稔教授によれば、自閉症は「治らない」とされてきたが早期発見による週30~40時間の集中治療で約半数が治ることが分かった。

 発達障害児にテレビやDVDなどのない生活を用意し、豊かな言葉がけを行うよう保護者に指導したところ、大きく改善した。また「あやし」「笑わせ」「たかいたかい」などを実施したところ、子供が喜び、言葉が出て、人間性が回復することもわかった。

 このような昔から日本人が当たり前に行ってきた伝統的な子育てや「普通の環境」を取り戻すことによって、2歳までの早期に治療指導を行うことが、発達障害の予防になり、この「金子式治療指導法」と澤口氏のHQを伸ばす脳科学理論は「きわめてよく一致」すると同書は述べている。

 あいち小児保健医療総合センター心療科の統計では虐待を受けた子供の57%に発達障害が認められ、広汎性発達障害(自閉症とアスペルガー症候群)が25%、ADHDが23%と報告されている。10年で6倍に急増している虐待が発達障害に与える影響の大きさに気づかせ、虐待を防止するための「親育ち」支援に国を挙げて取り組む必要がある。

 日本保育協会の調査によって、発達障害児への「対応方法を保護者に指導できる能力が重要」であり、早期発見・支援や個々の子供に対するケアのあり方についての研修が課題であることが明らかになった。

 伝統的な子育てを見直す「脳科学に基づく親学」の普及によって、保護者や保育士にこうした発達障害の予防、早期発見・支援のあり方や脳科学に基づく知見や情報を一刻も早く伝え、発達障害の予防に全力を尽くすことが急務といえる。

    ◇

 たかはし・しろう 元埼玉県教育委員長。明星大大学院教育学専攻主任、NPO法人師範塾・埼玉師範塾理事長。

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コメント

はじめまして。障害を持つ子どもさんの相談などをさせていただいています、やまだみきほと申します。
先般からの、高橋史郎氏と上田知事の発達障害に関する動きについて調べていて、こちらのサイトに辿りつきました。大変わかりやすく、感謝しています。ありがとうございました。

投稿: やまだみきほ | 2010.05.04 10:16

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