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2010.03.19

3/18 困った高齢労働者を叩く前に、自分が困った高齢者にならないように

城繁幸が「「残業」がなくて「有給」使えて「終身雇用」な会社は」というコラムを書いている。
結論は、地方公務員だという。

「民主党にも公務員リストラを主張する新自由主義者はいるが、組合入って選挙支援して恩を売りつけておけばリストラ対策もばっちりだ。
これこそ日本型雇用における究極の理想像、労働者のユートピアである。自分自身でいうと、高校出て地元の周南市役所に勤めて、労働組合のイベントには欠かさず参加しつつ、選挙では民主党のビラ貼りという人生だ。」と蛇足まで。

今の地方公務員って、仕事のやり方をもっとどうにかしたらと思うことはあっても、勤務時間とか休暇でいうとそんなに甘くないと思う。20年以上の前のモデルを想定しているように思う。
住民やオンブズマンの監視がきつくて仕事の手間は増えたし、利害調整は複雑になっている。職員数が絞られている関係で、臨時職員などが入っていても、仕事の担当領域が広がっていて、てんてこ舞しながら働いている。
残業手当の支給も予算主義なので、申告した分すら綺麗に払われることもない。サービス残業は増えているというのが実態だ。

また、困ったら民主党に頼めば守ってくれるみたいな安直な書かれ方をしているが、民主党は公務員にも労働組合にも甘い政党ではない。官民競争入札や始めに結論ありきの事業仕分けなど熱心だし、少なくとも残業がどうたこうだということまで守ってくれる政党ではない。
労組から見れば、片務的協力関係ではないかと思うこともある。自民党よりましで、かつ他に適当な良い代弁者がいないということで連合系労組は積極的に支援しているが、小選挙区制のもとで民主党から見れば連合は一支援団体に過ぎず、大半の議員にとってそう簡単に意見を聞く対象ではない。
あわせて政調廃止によって、個別政策を陳情してこなしてくれる窓口がなくなり、陳情の仕組みがあまりにも大きくなりすぎて、どこの労組も細かいところでの意見反映の道をさぐって苦労している。経団連と自民党のような関係にはなっていない。

また、例に挙がった周南市について言えば、労働組合というのが、連合系ではなくて全労連系(本人たちは必死で否定しているが共産党系)なのだから、民主党のビラ貼りなんかやる機会は組合経由で与えられることはないし、自主的にそういうことをしてばれれば組合経由で役所にちくられる可能性もないわけではない。
そもそも文中の「選挙でビラ貼り」なんて公選法で厳しく禁止されているからあり得ない。あるのはポスター貼り。ビラは配り。政治で世の中変えて欲しいと思っているインテリにしては初歩的な間違いと思うが、どうでもいいことですね。

「日の丸株式会社は確かに日本で一番安全な会社なのだけど、彼らに経済をけん引するような力はない。「若者の希望の星は公務員」というような国に、明るい未来が感じられないのは気のせいだろうか?」

いらんことを言うなぁと思うところ。暑苦しいヤンエグみたいな人間にはそんなふうにしか見えないだろうが、仕事って経済を牽引することだけに意味があるのだろうか。消防士や保育士、給食調理員など、たちは経済を牽引しているかどうかわからないが、確実に人や社会に役に立つ仕事をしている。彼らが民間になったとしても、結局は税金で運営せざるを得ず、公務員か疑似公務員にならざるを得ない。

公務員になりたがる人を減らしたければ、民間企業や民間企業が創り出す富が魅力的になる必要があって、そうならないからと、口惜しいからと、公務員をリストラさせたところで、この社会に失業の風を強めてしまう結果になる。そうなればさらに公務員が魅力ある職業になってしまうという悪循環が起きるだけである。

労働組合、民主党、地方公務員、残業ない、そういう言葉をテキトーにつなげて煽りを書くところに、どうしようもない先入観がこびりついているんだと思う。城氏のこのかたくなさは、自身が批判している高齢者たちより困った高齢者になりそうだな、と思っている。

●地方公務員の残業も、自治体によりけりと言うのが実態。仕事の目標、仕事の管理、仕事の配分、市民が期待する仕事の正確さの受忍限度で残業の度合いが決まるのではないか。
業績に応じてどうこうするというメカニズムがどうやっても働かせにくいから、残業のコントロールが難しい職種と言ってよい。

●民間でも、朝霞市内に研究所を持つ自動車メーカーはほとんど残業がなく、事前申請と承認にもとづかない残業をしている人がいると、労働組合が職制を厳しく注意するようになっている。例は少ないが、このテーマに合う民間企業があるにはある。

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コメント

そう言えば、J-CASTでちょっとした文系理系論議になったことがあるんですけど、ある理系がこんなこと書いているんですよね。
http://www.j-cast.com/2008/08/30025916.html?ly=cm&p=all
「文系の学科出身はきれいな本社勤め。休みもとれる。アフター5は会社の金で酒飲める(接待)。技術者が作り上げた製品を右から左へ伝票を切って流すだけで、お金がもらえる。うまく出世すれば社長だって夢じゃない(競争率高いけど)。一方、工学部出のエンジニアはお世辞にもきれいと言えない工場で納期に追われ休みも取れず、アフター5じゃなくアフター11くらいに、汚い相部屋の寮へ戻りかびくさいせんべい布団で寝る(仕事が忙しくて干せないんだよ!)。給与は「成果主義」とやら厳しく査定される。出世したところで技術部門長まで」

ですから、こう返答して差し上げましたよ。
「理系の学科出身はきれいな研究所や企画部勤め。休みもとれる。会社の金で自由に研究活動や学会出席が出来ちゃうし。現場のアイデアやノウハウを吸い上げては色々モデルとかを弄くって訳の解からない実験や数式で遊んでいる。うまく出世すれば教授や博士だって夢じゃない(競争率高いけど)。一方、文系学部の事務職や営業職はお世辞にもきれいと言えないオフィスで目標数値に追われ休みも取れず、アフター5じゃなくアフター11くらいまで缶詰状態(しかもサービス残業!)。給与は「成果主義」とやら厳しく査定される。上手くいけば社長も夢じゃないと言われても、そこまでいくのは極少数。経費で使うにも鉛筆1本・消しゴム1個まで厳しく管理されて、得意様と呑むにも一々安いのを探す始末」

何だか、こうした発想の根底って「仕事って経済を牽引することだけに意味がある」というのが背景にあるんじゃないかと思うんですよ。しかも、そういう仕事をやっている人間が教育とか労働とかで矢鱈口出しするから、公共サービスが無駄に見えてくる。かの「火の玉教授」が文科系叩きに加えてネオリベ万歳の主張をやっているのは、何か示唆的って気もしちゃいます。

投稿: 杉山真大 | 2010.03.19 02:04

「困った高齢労働者を叩く」と言えば、「嫌韓流」の方が「『若者奴隷時代』──“若肉老食(パラサイトシルバー)”社会の到来」ってのを出したんですよね。城氏の主張を戯画化してしまうと、こうもヘイトナ内容になってしまうとはcoldsweats02
http://xurl.jp/4o6b

ちなみに著者へのインタビューがこちら。こんな面だったのか・・・・・
http://npn.co.jp/article/detail/13773662/
http://npn.co.jp/article/detail/08512545/

投稿: 杉山真大 | 2010.03.30 20:45

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