2/21 社民党と新社会党の統合は自縄自縛の自殺行為
社民党と新社会党が統合へうごめいているらしい。
新社会党としては正しい判断だと思うが、政権参加している社民党にとっては自縄自縛になるだけではないか。もはや両党は、55年体制的発想で運動員や組織人員を合算すれば何とかなる、というレベルではない。
社民党は、運動や伝統の純粋性を維持することよりも、否が応でも巨大与党民主党との距離をうまくはかりながらバルカン政治家のようにやっていかなければ、生き残ることは難しい。にもかかわらず、最も伝統の純粋性を売り物にしている人たちとくっついたら、バルカン政治家のようにしたたかに政党を残すことは最も難しくなるだろう。
旧社会党系が生き残るためには、昔の人脈だけでどうこうしようとする内向きの発想をやめることではないか。統合しても、結局あいつはどの系統、こいつはどの系統と、人脈話ばかりで党が運営され、民主党と社民党との関係が微妙になれば、旧社会党の悪弊でその路線論争をめぐって内紛を起こす結果になりかねない。またこの話が前に進めば、現職社民党国会議員の間でも分裂、対立が起きることは、選挙協力などの関係から容易に想像がつく。
当座、社会民主主義でも、社会主義でも、その思想から現実政策をどう行うのか、理念の再構築をそれぞれの場できちんとやりながら、もう少し民主党の行く末を見定めてから行動を決めた方がいいのではないだろうか。民主党だって、やがては新自由主義的な考え方の人たちと、西欧社会民主主義の考え方の人たちと、根本的なところでどうしていくのか議論が起きてくるだろう。
それまでは、旧社会党の最も伝統的なところを地域的に残す新社会党、旧社会党で民主党に納得できなかった人の社民党、地域地域の地方選挙などで拠点を維持し、選挙協力などを通じて国会には影響力をおよぼす、それでいいんじゃないかと思う。
新社会と合併も視野…社民、党勢回復へ期待
社民党と新社会党の「復縁」の動きの背景には、鳩山政権で連立与党の一角を占めながら、党勢回復が進まない現状に社民党が危機感を抱いたことがある。
参院選での社民党の目標は改選3議席の倍増。しかし、連合傘下の民間労組で唯一の支持団体だった私鉄総連が民主党支持に転換するなど、環境は厳しい。
そうした中、社民党執行部が注目するのが、2007年参院選で新社会党が政治団体「9条ネット」として比例選で獲得した約27万票だ。社民党のこの時の比例選得票は過去最低の約260万票。ともに護憲が旗印で、社民党内では「支持者を糾合すれば約300万票が得られ、比例選で3議席確保のめどが立つ」との期待がある。又市征治副党首は「旧総評系のグループが結集すればいい」と、将来の両党合併も視野に入れる。
ただ、社民党内には「左派色が強い新社会党に配慮しすぎれば連立離脱につながる」との懸念も強い。新社会党は「2大政党への対抗上、第三極の核となる社民党議席は国会に必要」(幹部)と連携に前向きだが、条件などを慎重に検討している。
(2010年2月21日11時27分 読売新聞)
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