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2010.01.08

1/8 菅大臣の外国為替レートへの発言を擁護する

菅大臣がドルレートについて望ましいという発言をしたことについて、鳩山首相、仙谷氏が批判し、話題になっている。

変動相場制に慣れきって、為替が人為的な要素がない、まったく自然な姿のように信じている人には、菅大臣の発言はイデオロギー・理念に対する冒涜に感じるのだろう。
変動相場制の移行と、さらに重ねての外国為替の自由化で、為替相場は恣意性はなくなってきた。しかし、人為性が全くないかというとそういうこともない。固定相場制の時代は、レート変更は政治的に決定されてきた。また外国為替の自由化以降、為替相場はFX取引のような実需に見合わない取引が実需の何十倍も取引されて、それらはムードで動き、為替相場が実際の貿易の不均衡を是正する役割を負っているかどうか疑わしい。

藤井前財務相の円高容認発言で、今回以上に急激に進んだ円高について、首相は何の注意も反省もしていない。内需を拡大するような財政政策を採っているわけでもない今の政権で、円高を放置しておけば、日本の産業も労働者の生活もガタガタになる。
円安誘導することはできないだろうが、円安を期待することぐらい悪いことではないだろう。

●菅大臣も鳩山大臣も経済界の意向を代弁しただけと必死に抗弁しているが、これはよろしくない。輸出産業に支えられているこの国では、労働者もそれを望んでいる。

●為替に対する感覚は、輸入品に囲まれて育った首相と、製造業労働者の子として育った財務相との差だろうか。私も、プラザ合意の直後の急激な円高で父が月給もボーナスも10%カットを受けたことがあるのを見てきたので、円高にあまりいい印象はない。海外旅行もしなければ、子どもを海外留学させるでもなく、輸入品を買うわけでもないワーキングプアのような人にとって、円高なんて仕事を奪われる恐怖しかないだろう。

●正月、外国旅行した同僚が、円安進行でクレジットカードの支払を心配していた。同情しようと思ったが、しかし、円高が放置されて企業業績が悪化すれば、ボーナスの支給水準が低下し、為替で損得以上の損をしてしまうと思った。

●「三原則氏」が菅直人を社会主義者と断定。イデオロギーや希望的観測のために、レッテル貼りや事実を見ないなどの悪癖そのもの。こう見たいという願望があると、それに向けて事実を仕立て上げていく新自由主義者の行動パターンは共産主義者そっくり。原理原則に徹底しないことが、社会の発展を阻害していると考え、一切の原理原則に沿わない都合のわるい事実は、ありとあらゆるレッテルを貼ったり、陰謀をでっち上げたり、偏向者扱いをしていく。

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