1/7 また保育所を事業仕分け
また民主党政権が保育制度を事業仕分けの対象としてぶち上げるつもりだ。保育所をそういうふうに捉えているのは相変わらずだ。
事業仕分けというシステムの制約からは、現状維持以外はみんなリストラを目的とするものだ。何度も事業仕分けなど、行革論議で保育所をネタに試みがされたが、待機児童問題の解決はそんなものではないだろう、ということが明らかになっている。国が保育財政にほとんどお金を使っていないことも赤裸々にあらわされた。夫婦ともに正社員ぐらいの所得で子ども1人月8万円も保育料を払え、という基準で国は認可保育所をオペレーションしていることが明らかになった。月19万円の保育士の人件費が低いと評価された。しかしそれでもまた同じことをする。これこそムダではないか。こんなこと書き続ける私もムダだと思う。
もう一度、民主党政権の行革担当者は、保育所運営費補助金の議論をした事業仕分けの議事録を読み返すべきだ。HPで公表仕分け結果はあれは財務省の提案意向を薄めて書いてあって、議論の実態を表していない(議論の過程を無視した仕分け結果など、だましが事業仕分けにある。早急に議事録を公表すべきだろう)。
保育所には改革しなければならないことは多いし、今の勤労者家庭の生活を支えるという観点では、まだまだやらなければならないことも多いが、この間の「改革」談義、新政権の事業仕分けでの取り上げ方は、そういうことではなく、単に行政改革ゲームの戦術ネタとしての問題提起しかされず、それに対して、担当官庁や利用者がやむにやまれず抵抗するという構図が続いている。
そこに新自由主義者の経済学者が、自らの政治思想に矛盾する制度として保育所を槍玉に挙げ、理論の矛盾もわきまえずに政治家周辺で非難し続けているようだ。
現在、保育制度の見直しについては、厚生労働省で議論が積み重ねられており、それを無視して政治的に槍玉に挙げ続けるこの政権の態度は本当に許しがたい。
まして、当事者の意見などほとんど聴かず、都内の保育所を数ヶ所見ただけで、あとは新自由主義経済学者の残骸みたいな人たちの話を聴いているだけ。
問題は事業仕分けを使って「広く国民に聴く」といいながら、いったいどの国民なんだということである。
聴いているのは当事者や子育て中の人がほとんどいなくて、仕事を犠牲にして子育てをやったことがあるのかわからないようなエコノミック・アニマルみたいな連中ばかりではないか。
保育所が何のためにあり、誰のためにあり、当事者は誰なのか、という議論が無くて、まるで抵抗勢力がいるかのような妄想に取り付かれて、道路や橋や港湾、同じ子ども業界では幼稚園などと違って声が小さく無視しても選挙に影響がないからと、政争のネタにし続けるのは本当に納得がいかない。
この政権にこのようなことを何度も繰り返されると、この社会で働き続けることが馬鹿馬鹿しくなってくる。市役所や議員会館におしかけて政治家に気に入られるように説明できるヒマと立場のある人たちだけの声が届くのだろうか。働く人間を痛めつけるのもほどほどにしてもらいたい。
●ロシア革命の理想が崩壊していく過程を苦虫潰して味わった人たちの話を読むと意義深い。
保育の在り方など議論=仙谷担当相
仙谷由人行政刷新担当相は5日の記者会見で、行政刷新会議で議論する制度改革の具体的なテーマについて、「保育、それから職業再訓練は事業仕分け的手法によって、国民に広く意見を聞きながら進めていく問題だ」と述べた。保育所の設置基準や幼稚園と保育所の一元化、職業訓練の在り方などを対象にする意向を示した発言とみられる。(2010/01/05-13:03)
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