1/7 菅財務相の円安を期待する発言を評価する
菅財務相の就任、お祝いしたい。前の大臣は財政だけを大事にした。財政も大事だが、必ずしも小さな政府という価値観ばかりではない菅大臣にはより景気担当大臣としての役割を期待したい。
今日の記者会見で、円安を期待する言葉を表明した。藤井財務相の最初の失敗を裏返すような行動を評価したい。
一方では、立場もあろうが、増税については極限までムダをなくしてからでないと議論できない、と、ありえない前提をもとに議論を封印してしまったことはミステイクではないかと思っている。
何をもってムダかということが定義もされていないし、国民の価値観が大きく分かれている今、極限までムダをなくすということは、最終的には財政支出ゼロにするというに等しい発言である。ムダを無くすので出てくる金額と財政不足の金額は桁が2桁違う。
また埋蔵金の発掘に努力されるよう。そういうのも結構だが、埋蔵金は恒久財源ではないことは心にとめておかなくてはならない。また埋蔵金の定義もいろいろ。
例えば、年金特別会計の積立金なんかも埋蔵金と言えば埋蔵金になる。しかし人によっては貴重な年金支払原資という人もいる。年金積立金の運用先が足りなくて、公共の宿や病院にして運用していたことに国民は大反発した。だからといって年金だけ埋蔵金の聖域だとすると、高齢者の福祉の金銭給付の部分だけ守って、あとは何してもいいんだという政権の価値観を表明することになる。
「もう少し円安に」菅財務相が口先介入2010年1月7日20時51分朝日新聞
菅直人副総理兼財務相は7日、財務相就任後初の記者会見で、為替相場の動向について「経済界から(1ドル=)90円台の半ばあたりが、貿易の関係で適切ではないかという見方が多い。(現状より)もう少し円安の方向に進めばいいなと思っている」と述べた。市場では直後に円安が進み、異例とも言える明確な「口先介入」となった。
東京外国為替市場の円相場は菅氏の発言を受けて、1ドル=92円15銭前後から一時、92円85銭前後まで円が売られた。「円高容認」と見られていた藤井裕久前財務相との違いが鮮明になったと市場が受け止めた。
菅氏は会見で、「(84円台まで円高が進んだ)ドバイ・ショックのころに比べればかなり円安になった」としつつも、「為替が適切な水準になるよう、日銀との連携も含めて努力しないといけない」とも語った。
菅氏は7日午前には記者団に「(特別会計、一般会計合わせて)207兆円の国の総予算を徹底的に洗い出す」と表明。その後の会見では、各省庁の政務三役に対して管轄の特別会計などを精査するよう近く指示する考えを示した。特別会計の「埋蔵金」などの実態把握と情報公開を進め、新たな財源の確保につなげたい意向だ。
消費税については、「徹底的に無駄が省かれ、これ以上無駄がないという段階で、議論が煮詰まっていく条件ができる」と発言。拙速な増税論に慎重な姿勢を見せた。
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