1/25 シーシェパードのこと笑えない
近所の板橋区が、犬に住民票を出し始めた。犬の登録制度があるが、それをポジティブに捉えようというものなのだろう。しかし何か割り切れない。
最近の自治体は、犬やらアニメキャラクターや、迷いあざらしに住民票をポンポン出すのに、民法上想定されていないかたちで届け出られた子どもは、実の父親と違う父親を実の父親と登録させられたり、受理すらされないこともある。たかが紙切れだが、住民票などという言葉を使う意味は、ペットを人間並みに大切にしようということだろうが、離婚後300日以内に生まれた子どもの父親が勝手に決められたり、結婚せずに父親の子として出生届を出すとごねられたり受理されなかったりすることは、どう考えたらいいのだろうか。どう考えてもペット以下の扱いをしているとしか思えない。
それでも受理されなくて不都合がなければいいが、憲法で「何人も」と書いていること、「国民」と書いていることで保護されるべき権利が行使できないこともある。
どう考えたらいいのだろうか。
最近では10万以上もする犬を買ったり飼えたりする階層には、犬でも住民票をやろうという論理なのだろうか。
考えれば考えるほど、ろくな世の中ではないとしか思えなくなる。
かわいいくじらのためなら、捕鯨船員の安全や生存なんかどうでもいいと考えているシーシェパードのこと笑えない。
かわいいものなら犬でもあざらしでもアニメキャラクターでも行政の庇護を受けられて、実際に存在する人間は社会常識からかわいくなければ自己責任だの何だの言われる社会におかしいという声が挙がらないのが不思議である。
●かわいい動物やキャラクターへの住民票交付といい、小沢疑惑で法律を無視したやめろやめろの世論誘導といい、筋道立った論理が通用せず、イメージだけで多数派の横暴が続いている。民主主義そのものの限界かも知れない。
●鉄腕アトムを住民登録している隣市は、昔、市立学校の教師たちが中学生を自殺に追いやるような事件を起こしている。自殺した事実だけが明らかになっているだけで、そこにたどりついた真相は解明されていないようだ。
あなたのワンちゃんに「住民票」 東京・板橋区が無料で2010年1月25日5時32分朝日新聞
25日から板橋区で発行される犬の住民票。縦15センチ×横10センチのはがきサイズ
ワンちゃんの「住民票」を発行します――。東京都板橋区は登録済みの飼い犬を対象に、25日から犬の住民票を無料で発行する。「飼い犬は家族」という飼い主の気持ちをくすぐり、飼い犬の登録率と予防接種率をアップさせようという狙い。同区によると、23区内では初の取り組みだという。
発行する犬の住民票は、両面刷りのはがきサイズ。表には犬の名前や生年月日、登録番号などが記載され、犬の写真をはることができる。裏には予防接種の記録、父母の名前やチャームポイントなどが書き込める。
同区の飼い犬の登録数はここ3~4年で毎年約千匹ずつ増えており、2009年12月現在で1万7329匹。ペットフード協会のデータとすりあわせて独自に出した区内の飼い犬数は、推定約5万匹。
一方で、登録数に対する狂犬病予防接種率は、09年12月現在約65%。区の推定通り約5万匹いるとすれば、接種率は2割程度になる。
登録料は3千円かかるが、登録がないと区は予防接種の案内を出せない。このため、同区は昨年10月から、広報やホームページで呼びかけ、どうしたら登録してもらえるかアイデアを募集。犬の写真入り名刺などをつくっている飼い主が結構いる点に着目し、「住民票をつくれば、飼い犬同士の交流や情報交換にも役立ててもらえる」と決めた。
区によると、世界保健機関(WHO)などが示す、狂犬病予防接種率の目安は70%以上。「1957年以降、国内で発生した狂犬病症例がなく、身近な病気というイメージがないのでは。人と動物が安心して暮らせるようにまず登録を」と呼びかけている。
問い合わせは同区保健所生活衛生課(03・35●●・●●●●)へ。(平嶋崇史)
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