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2010.01.11

1/11 政権交代と分権改革と同時並行で自治体議会の改革が不可決

知人に紹介されて、市民運動家で、最近は市民運動を育成し、その政策活動を支援してきた須田春海さんが闘病生活を続け、ブログを書いておられる。

旧民主党を、市民運動の政策活動と連携させようとし、市民発の立法活動に取り組まれてきた須田さんが、民主党の現状を心配してブログにつづられている。

テーマは「月刊自治研」、鳩山政権100日の評価として、山口二郎北大教授が書かれていることを引用して、

>民主党に、政策の一貫性が欠ける。特に事業仕分けでの基本前提が出来ていない、と厳しい。
>①公共サービスは、費用対効果の尺度では、測りきれないものがある。当然だ。
>②人権・福祉・教育、などは、社会効果が一番大切になる。市場と比較できるサービスはむしろ少ない。
>③かつて、同じ月刊自治研は「社会化テスト」のすすめ、を特集している。わたしも書かせていただいた。
>そのサービスを決定するのが,官僚ではなく、政治であることが重要である。その政治が、とくに地域で
>機能していない。自治体議会はシバシバ、地域利益の代表者の集まりになってしまう。
>市民が直接参加して、意見を交換する場も少ない。
>であるからこそ、いま進められている議会改革が重要になる。

と書かれていて、私の考えとほとんど同じである。
民主党は官僚から国民を代表する政治に政策の決定権を奪還しようとしているが、肝心の公共サービスを実施する自治体やそれ以下の地域レベルで、議論がきちんとできる保障をしていく改革をしていかない限り、ただの政治ゲームで終わってしまうだろうし、だからこそ、自治体議会の改革が重要なのだ。

あと民主党の所属自治体議員の資質向上も。
朝霞に限らず、保育所を共産党の巣窟みたいな意識で叩いたり、大型公共事業を推進したり、地域の労働問題について足をひっぱる役回りをしたり、民主党のやろうとしていることと全然違うことをやっている議員が多すぎる。

●朝霞市では、圧倒的に不足している保育所の増設や介護施設の増設について市議会で議論してもらいたくても、一般論以上には全く話になってない。議会で予算をつけるという話もない。むしろ不足している現状を悪用して入所の口利き斡旋をしているという噂のある議員もいる。担当の市職員もこうした問題に対して市の中枢部がまったく取り合わないらしく、諦めムードである。
一方、昨年一年の基地跡地の開発の議論などでは、その何十倍もの予算を浪費するにもかかわらず、ほとんど議会は市長や市役所をチェックしなかった。
開かれた議会ならこうした逆立ちした意思決定はしなかっただろう。
議会改革は重要である。
市議会で何が議論されているか、全ての会議を検証できる仕組みが必要。そして、市民が意見を述べて市議会議員どうしの議論に関与でる場が必要。そして、4年に1度しか審判できないのだから、選挙のときに誰に投票したら自分の考えに近い政治が実現できるか決められる情報提供が必要だ。
そして、今、懲罰的な議会改革の議論が流行しているが、単に税金の無駄づかいがどうの、不祥事を起こす議員を一掃、居眠り議員の整理とかそういう意味でいいのだろうかという疑問がある。そんなことを続けても、第二の不祥事議員、第二の居眠り議員、第二の無駄づかい議員が出続けるだろう。そしてただの足のひっぱりあいの政治ゲームになるだろう。議員報酬を減らせとか、議員をやった人の老後がどうあるべきかを考えないまま年金をなくせとか議論するのも、やがては議会をおかしくするように思う。
議会には、それぞれの自分たちが自分たちの理想に近い方向にまちを動かして、その利害が対立しているときに十分議論し調整して最善の結論が出せるようになるための改革でなくてはならない。

●国会議員の宿舎がムダだとさんざんキャンペーンはられたが、ペーペーの金無し民主党議員が増えたら、いつの間にか国会議員宿舎はムダだという声は小さくなった。むしろ宿舎不足をどうしようかという議論に移っていった。要は政治が機能していればある程度の政治のコストは許容されるし、機能していなければ何から何までムダに思えるものなのだ。

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