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2009.12.27

12/27 金融資本の問題は錬金術ではなく他産業の利潤の搾取である

民放にしては比較的良心的な番組だと思うが、TBS「サンデーモーニング」で資本主義の説明の中で、金融資本主義の問題を「錬金術」と説明していたことがどうも違うのではないかと感じている。そして社会が破局に向かっている、資本主義が終わるかのような報道をしているけども、これまた過剰な不安感を煽るだけではないかと思っている。

金融資本がのさばっていることの問題は、金融資本が非道徳な錬金術をやっていることよりも、物・サービスの実物経済を提供しているあらゆる産業を隷属させて集中し、金融・不動産業とつるんだ産業以外が儲からなくなってしまう構造に問題があり、分配の問題ではないか。
カリフォルニア州の公務員年金組合のために、リストラばっかりさせられた企業で解雇された従業員が路頭に迷うなど、本末転倒のような話になる。

そうであるなら、金融・不動産業の規制強化と、労働の市場取引のルールの確立、社会保障制度の再整備をやることが先決で、強欲な人間のためにこの世が終わる、という宗教的な主張の仕方や破局を強調するような言い方がどうもズレている感じがしている。

●民放のビジネスモデルこそ、環境や経済の行き詰まりそのものではないかと思う。CO2だとか環境だとかテレビが絶叫する前に、午後の電力ピーク時間帯だけでも放送を止めれば、環境問題に大きく貢献する。一般家庭のCO2の大口消費は、クルマ、テレビ、パソコン。一人ひとりの意識というなら、マイカー、テレビ、パソコンの使用を抑えるしかない。環境以外にも、生産物の剰余価値を横取りするような高い広告料収入のため、大手企業か、ブラック企業、あとは化粧品をはじめ過剰な利益率が取れる商品の広告ばかり。また日本の最大手の広告代理店が戦時統制経済で設立された経緯から市場独占の問題もあって、民放に出てくる発言者が小泉政権と親和的な評論家、芸能人ばかりであったことなど、自民党政権時代には情報機関、謀報機関としての役割もあったことも何とかしなければならないだろう。

●年金積立方式が成り立たないということが経済学者の中で常識になりつつあるが、私たち世代の中ではまだそういうことに期待する人が少なくない。
積立方式というのは年金の積立金運用益のために、金利、キャピタルゲインを追い続けなくてはならない経済になる。カリフォルニア州公務員年金組合がやったように、現役時代45年間の働き方が、株や借入金の利息や配当、キャピタルゲインに最大限配慮するような職場を作らなければ、老後25年もの生活費を出す基金は作れない。日々どんなに努力しても、金融資本に隷属する働き方を強制されることになる。奴隷労働が待っている経済体制である。世代間不公平が、年金だけの問題から、日々の労働の問題に展開されることになる。

●なんてことを書くと、左からは修正主義と批判されて、右からは社会主義(彼らの定義では共産主義と同義)と批判されて少数派に追い込まれるなぁ、なんて昨日、社会民主主義者と会話したなぁ。

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