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2009.12.21

12/21 多くの人には「本当の学び」より人権を蹂躙されない教育が大事

濱口桂一郎さんのブログを読んでいると、私が20年以上前に高校で主張したことがだんだん実になってきていることが見えてきて、世の中前には進んでいるんだと感じた。

私の入った高校は、当時大流行した管理教育に対するアンチテーゼが売りだったが、管理教育に対置するものが戦後の「民間教育運動」の流れの末にある、左翼版の教養主義に他ならなかった。

教育者と学校を信じている生徒は「本当の学び」をしていると信じ、ちょっとでも学校に背を向けている人には困った人だという扱い方をした。よくも「本当の学び」などと断定できるなぁ、と冷ややかに見ていたときに、私が仲間とやろうとしたことが、労働法の学習会だった。あと当時脚光を浴びたフランス社会党の自主管理とか。
結局、この高校を信じても信じなくても、運良く大学に進学できても、多くの同級生はやがて一度は社会で働くことになるから、「本当の学び」なんかより役に立つことを勉強できそうだ、と思ったからだ。
いくら太平洋戦争の本質を勉強したって、歌や踊りで民衆を感じ取ったって、その後社会に出て職場で人権を蹂躙されてしまったら、「世の中きれいごと言ってられないんだよ」って、現実主義に日和見するしかないってものでしょう(大学院進学と豊かなフリーターとゲージュツ家があまりにも多いのが出身校の特徴です)。

結局、私の集金能力と意志力が弱くて、企画倒れで終えてしまったが、この企画を考えるために読んだ労働組合の作り方に関するテキストは、当時は、高校に対抗する自主組織づくりのモデルを労働組合に求めて検討したし、そのベースは今も役に立っている。

時は今に移り、小泉構造改革以来、いいように労働者が働かされ、(今も続く)労働組合が抵抗勢力である(ときには陰謀組織まで高められる)というプロパガンダが展開され、働く環境がズタズタにされている中、多くの人が労働組合が必要だと思いながら、そのほとんどの人が労働組合を作ろうともしなければ入ろうともしない現状は、労働教育の不在にあるのだろうと思っていた。そこに、2006年前後から、北大の道幸先生の「職場の権利教育ネットワーク」の発足や、日教組の教研集会で労働者の権利の教育が必要だという議論が出てきたり、本田由紀さんなどの労働者として自立していく人のための教育が必要だ、という議論が出てきて、まだ定着していないが、労働者を力づけるための教育は必要だと社会が認識するようになって、よかったと思っている。
※余談。若年労働者の課題は、まだ働く人の主体性の問題が大きいという感覚が強くて、労働者としての権利教育よりも、ニートの自立みたいな支援ばかりが先行して行われ、社会の制度になっていっている現状について、事業仕分けではないが、アンバランスなのではないかと感じている。

今日の濱口さんのブログにも、『非「教育」の論理-「働くための学習」の課題』(明石書店)という本を通じて、教養主義の教育だけではダメなんだと紹介しています。

●昨日、事情があってあるショッピングモールに行き、フードコートのようなところで食事をした。三浦展ではないが、徒歩で買い物や食事をする生活に慣れていると文化が違うと痛感した。
それはともかく、フードコートのある店で、アルバイトがなっていなかった。
まず、どんくさい。列ができているのに手際が悪く、手際を良くしようという努力が見えない。食べ物を扱っているのに、客に出す食べ物を投げて出す、客との受け答えの言葉がだらしない、そして注文後30分も食べ物が出てこないので問いただしにいけば、注文をどっかにやってしまった様子。謝るのは苦情を言われた子だけ。注文をちゃんと伝えなかった人、注文に聞き耳を立てて本来作っているべき人、みんな我関せずの態度で、客の方も見ない。
「ゆとりー」って叫びたい気持ちになったが、よく考えれば彼らは生まれてから雇用にいい話を聞いたことがない世代。10代前半には、そこにあった有名な自動車工場が突然撤退して何も無くなっている。働くことに、当座の小銭稼ぎ以外の将来展望が見いだせないと諦めている結果なのかも知れない。私たちの世代のように社会に出る準備体操みたいには捉えられないのだと思う。

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