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2009.12.21

12/21 阿久根市長、社会ダービニストを宣言

いよいよ、阿久根市長の竹原信一氏が社会ダービニストであることを宣言したようだ。

障害者への差別記述問題で謝罪して削除したにもかかわらず、「活力ある社会を作るために命の定義をしなければいけない。刈り取る作業をしなければ全体が失われる」などと、障害者や病人は一定、死んでもらった方が社会のためなのだと言わんばかの発言をしていたという。

そんなことで得られる活力とは何なのだろうか。活力のために、切られるべき人とはどこまでのことを指すのか。健全で健康な人だけで構成される社会の不気味さを考えたことがあるのだろうか。

先日も書いたが、障害者を公的に全面的に支援したところで、国全体では大した財政負担にはならない。障害者の福祉を充実させて、彼の言うところの「幹が腐る」なんてことはない。

あまりにも悪質な人物である。これでも護憲派なのである。

●何人か仲間が入っているので書きたくはないが、「開かれた議会をめざす会」でわざわざ阿久根市長を呼んで講演してもらったようだ。

いくら日本の多くの自治体議会が腐っている現状があるからと言って、腐っているかも知れない議会以上に人間として問題の多い市長をヨイショするのもどうかと思っていた。議会改革は、立憲主義や民主主義の基本的な課題をふまえた上で、制度論や技術的な議論が多いのに、そういうビジョンも構想もなく、感情的に自治体議会は民主主義の敵のような発言を繰り返す市長を呼ぶのは、議会改革をめざす政治運動をするグループとしてどうかと思っていた。市長と違い、議員どうしの議論やかけひきがあって議会の議論は動いていく。その前提をもとに公正な決定がされるような改革をすべきで、議論やかけひきによる合意そのものを否定するような乱暴な思考回路は、議会改革には百害あって一利なしと言える。なぜなら複雑な利害の調整を否定した議会であれば、民選首長がいればよくて、議会がそもそも不要だという議論にしかならないからだ。竹原氏にそういう思想がないと言い切れるだろうか。

公務員叩きや議会との対決が今どきの改革風なのかも知れないが、裁判所をも無視するような彼の公務員の叩き方などを見ていて、こりゃ応援するのも危ないんじゃないか、と思わないのはどうかと思う。事実、今回、障害者差別をしたり、障害者や病人に対して社会の足手まといだというような考え方の持ち主をヨイショして、改革談義をするなら大いに問題だろう。
「開かれた議会をめざす会」が責任ある組織なら、民主主義の基礎に必要な基本的な人権感覚ない人間をヨイショしてしまったことの見解が必要なのではないかと思う。

●憲法学の中で、民主主義は多数決原理だが、多数決が必ずしも人間を大切にするとは限らないから、硬性憲法で人権や自由の保障について、民主的な政体のもとでもタガをはめるということを教わる。そういうことを無視した議論が多いことにほんとうに危機感を持つ。

ブログ市長:「命刈る作業を」と発言 障害者問題を念頭に
2009年12月21日 20時48分 更新:12月21日 21時10分毎日

鹿児島県阿久根市の竹原信一市長。福岡市での講演ではウクレレの演奏も披露した=福岡市博多区で2009年12月21日、田中雅之撮影 ブログでの障害者への差別的記述が問題化した鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(50)は、21日に福岡市であった講演会で「活力ある社会を作るというのは、命の定義に踏み込まなければいけない。刈り取る作業をしなければ全体が失われる」などと語った。障害者問題を念頭にした発言とみられ、改めて波紋を呼びそうだ。

 講演会は福岡市の経営情報誌主催で、企業経営者ら約30人が出席。「刈り取り発言」は「NICU(新生児集中治療室)」のドキュメンタリー番組の内容に触れた後に飛び出した。社会づくりを「木」にたとえ「枝が腐ってきたら、切り落とさないといけない」とも語り、差別的記述問題については謝罪する意思がないことを改めて強調した。

 講演後の会見で、報道陣から発言の真意について質問が出たが竹原市長は「答えない」などと拒否した。【三木陽介】

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