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2009.12.22

12/21 暫定税率、子ども手当の所得制限の判断は妥当

鳩山首相が、ガソリン税の暫定税率の引き下げを撤回し、子ども手当の所得制限を設けない判断をしたことは妥当な判断だと思う。

ガソリン税の暫定税率をこの時期に廃止することのばからしさはこれまで何度も書いてきたので割愛。

子ども手当にはいろいろ考えるところがあるが、とりあえずやるという方向性の枠内で考えたときに、今回首相が決断した所得制限をしないという方針は妥当だろう。もちろん、経済学の消費性向の考え方をもってくれば所得制限を本来やった方が効果的だ。しかし所得制限をかみあわせると実務に耐えられないように思う。
民主党が最終段階で検討した所得2000万円の世帯から払わないというのでは、総額数十億円程度の支出削減効果しかなく、発言力の大きい高所得者が子ども手当に異論をはさんだり、社会保障そのものを否定するような議論を始めるデメリットを考えると、支給してしまった方が良い。
一方、やるならという国民新党の所得1000万円以上の世帯から払わないというのが微妙で、低所得者に対する所得再配分としては効果的になるが、2000万円で線引きしたときと同様に中の上ぐらいの階層の人が所得再配分そのものに否定的な世論を形成する弊害がある上、クロヨン、トーゴーサンと言った、サラリーマンと自営業、農家との所得の捕捉の格差がちょうど問題になってくる水準でもあり、もめる要素になる。

また所得制限を行えば支給事務に所得調査が入り、事務コストが跳ね上がる。本来、児童虐待の対応や保育園開設のための準備など児童福祉で創造的仕事をすべき自治体職員が、子ども手当の支給事務に拘束されることになる。

子ども手当をどうしても実施したいなら、所得での線引きをしない方が政治合意をまとめるにも、自治体の効率的な業務のためにもよい。
高所得者対策は、累進税率の見直しをはじめとした税による増収策で調整すべきだろう。

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