12/1 閣僚の福島氏を党首からおろして意味あるのか
社民党、旧社会党のお家芸とも言える、政権与党下での党所属閣僚を党から切り離す動きが勃発している。福島党首を引きずりおろしたり、党首としての権限を無力化する動きが出ているようだ。福島氏にいろいろ思いはあっても、内閣に送った党首を党首でなくすることがいいのか、という基本的な責任感が社民党にはないのだろうか。
こうしたことは、古くは片山内閣のもとでの、左派・鈴木茂三郎派の党内野党宣言、最近では、細川連立内閣下での党首選で内閣にいた山花党首、赤松書記長をひきずりおろして村山党首、久保書記長の体制に入れ替わったこと。そうなったときのその後の流れは、下野、総選挙での壊滅的惨敗、3~4年の崩壊的な混乱状態となる。
民主党の圧倒的な議席数のもとでの社民党の生き残りのためには、民主党を中心とした連立政権の中で、小沢一郎や藤井裕久などに嫌がられながらも、わがままをいいながら、一塁打をうち続け、得点を入れていくことだろう。民主党だけに好き勝手にさせていない、という姿勢を作りながら、一塁打の中から、党の支持基盤を作っていくことしかない。
そういう中で難しいのはやはり沖縄問題。結論を出すことが迫られているからだ。しかし社民党としては安易な妥協はできないし、先送りも難しいとなれば、何か運動やまともな妥協策を探らなければならないが、そんなこともせずに、誰がやってもこのような状況に陥るという冷静な視点も持たずに、福島氏が民主党に流されて、テレビに出てチャラチャラやっているから問題なんだ、という理屈の立て方が、旧社会党らしい内ゲバ体質の発想。
保育所問題を中心に福島氏には厳しいこと書き続けたが、ことこの問題に関しては本当に同情したい。
福島党首4選に壁、「出しゃばりすぎ」の声も 社民党は、党首選の告示を4日に控え、党内の駆け引きが激しさを増している。
2003年12月から3期6年、党首の福島消費者相は4選出馬の意向だが、党内には「福島氏は何事にも出しゃばりすぎだ」といった不満も一部議員にあり、対抗馬擁立を模索する動きも出ている。
福島氏と一線を画す又市征治副党首は、11月27日の両院議員懇談会で党首代行の設置を求めた。党内の福島氏の影響力をそぐ狙いがあると見られている。また、福島氏と距離を置く阿部知子政審会長、照屋寛徳衆院議員ら4人が11月30日、国会内に集まるなど「反福島」の動きが活発化している。
こうした動きを、福島氏に近い議員は「与党入りして党首に注目が集まるようになったから福島氏をやっかんでいるだけだ」と批判。
福島氏を支える重野幹事長が1日、又市氏ら複数の議員と会い「福島体制」継続への理解を求めるなど党内融和を図ろうとしているが、福島氏自身は党内情勢を見極めるため出馬表明を見送っている状況だ。
(2009年12月1日22時14分 読売新聞)
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