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2009.11.07

11/7 キャリア教育に感じるズレ

キャリア教育が離職率の改善につながらないという毎日新聞の記事。

離職が労働者の個人的な資質の問題だけで片づけられているから良くないのだろう。

キャリア教育を支援しているNPOが、クリエイティブな仕事に憧れを持たせる実践を紹介しているけれども、何か違うような感じがしている。

いつまでも学生でぬくぬくみたいなことよりは、仕事に夢をもって社会に飛び込む勇気を持ってもらいたいと思うが、しかし実際に仕事を始めるということは、少数派の成功者以外は、夢からすれば実につまらない日常が続く仕事が待っており、しかしそこで働いてもらっているということは社会のためにはとっても大事な存在であるということは紛れもない事実で、夢から離れたその成り行きを自分の生きがいを見いだして折り合うということが試されていくのではないか。

その折り合ったときに、折り合うに納得できる人生が待っているかどうかが問われていて、キャリア教育もいいのだが、労働組合をネガティブに捉えるこの社会のあり方や、労働者の基本的権利をきちんと伝えていかなれば、いけないと思う。とくに最近の厳しい労働環境と雇用環境からは、折り合ってまじめに働こうとしている人にあまりにも酷い仕打ちが待っていて、そんなことを改善しないと、離職率ばかり問題にして若者の資質ばかり問うても、何だか居酒屋談義の域を抜けないように思う。

●こういうことを考えるときに、札幌にいたときに、夢はあれども今よりさらに根無し草、失敗すれば文無し失業者になるかもしれない仕事に転職しようか悩んでいたときに、その道に詳しい知り合いのおばちゃんが「人がひとり食べていくことはとても大変なことで、それができている今は立派なんだから大事にしなさい」と諭された。その言葉を働くということはどういうことか考えるときに、いつも思い出す。

新教育の森:キャリア教育、小中学校の模索 働く意味を説き、離職率の改善目指すが…

東久留米市立第3小で行われたインタビューゲームでは、あこがれの職業になりきったやり取りが交わされた 働く意味を教える「キャリア教育」に積極的に取り組む小中学校が増えている。就職を間近に控える大学生や高校生と違い、小中学生に将来の仕事を実感させるのは難しい。一方で卒業後に就職しても、すぐに離職する若者も多い。教室での試行錯誤が続く。【井崎憲】

 「大工さんの収入はどれくらいですか」

 「1日当たり約2万円です。雨の日は働けないので天候で月収が変わります。優れた技術を持っているかどうかでも変わります」

 「やりがいは何ですか」

 「何もない土地に、人が協力して一つのものを作っていくことです」

 10月21日、東京都東久留米市立第三小学校の視聴覚室。6年生の総合学習の時間に「12歳のハローワーク」と題したキャリア教育が行われていた。3クラス計約90人の児童がそれぞれ2人1組となり、1人が職業に就いた社会人、もう1人が仕事内容を尋ねる「職業人インタビューゲーム」を楽しんだ。

 ゲームに先立ち、児童は「粘り強い」「イベントの計画が好き」等の選択肢から、自分に当てはまるものを選ぶ「適性テスト」で、ビジネスマン、技術者など6タイプの将来像を決める。その後、仕事内容の詳細が書かれた約100枚の職業カードを選んでいた。

 カードには、やりがいや厳しさなどが、各分野の仕事に携わる人の経験を交えて書かれている。記述を基に、その人の立場になって仕事内容を説明したり、自分で質問を考えるインタビュー役を務めることで、小学生が将来の夢を具体的に考える教材となっている。

 ◆NPOを活用

 授業はキャリア教育で実績のあるNPО「夢さがしプロジェクト」(東京都港区)に第三小が依頼したもので、夢さがしプロジェクトは08年から全国の小中学校で実践している。

 約100枚の職業カードのうち70枚には、プロジェクト代表で文筆家、菅原亜樹子さん(50)が著書「夢さがしエトセトラ」などに収めたミュージシャン、坂本龍一さんら各界の第一人者の写真、メッセージが書かれており、児童は興味のある職業以外のカードも食い入るように見ていた。授業中、NPOスタッフから、「社会人同士のやり取りだから、敬語を使ってください。普段も先生に『勉強教えて』ではなくて『勉強教えてください』と言ってるでしょう」と言葉遣いの細かい指示も飛び、つかの間の「大人気分」も味わわせていた。

 中学校段階になると、キャリア教育は伝統産業の体験などが目立つようになる。国立教育政策研究所の今年3月の調査では、公立中学校の職場体験の実施率は96・5%に上った。

 これと比較すると、インタビューゲームは児童のあこがれに重点を置く疑似体験型の学習といえる。菅原さんは「仕事には厳しさが求められる一方、やりがいもある。インタビューゲームでこのことを身近に感じることができるはずで、授業だけで終わりにせず、その後、実際に自分たちで大人にインタビューするなど発展した形につなげてほしい」と話す。

 同小の場合、将来像を探るキャリア教育は来年1月まで続ける予定で、6年担任の真崎容子教諭(44)は「中高生と違って小学生はあこがれが先行し、目立つような仕事を選びがち。今後は能力や適性と結びつけていくような段階に持っていきたい」と話した。

 ◇大半が普通高校進学…「どこまで具体的にやるべきか」
 ◆中卒者の離職率7割

 キャリア教育が進められる背景には、ニート、フリーターの問題が指摘される以前から、若年層の就職者ほど離職率が高い「七五三」と呼ばれる状態が改善されていないことがある。厚生労働省が中学、高校、大学それぞれの卒業者が3年以内に離職する割合を調べたデータでは、06年卒業での離職率は中卒者が67・3%、高卒者が44・4%、大卒者が34・2%。大卒者は90年代後半から離職率が高くなったが、中高卒の場合は、以前から現在と同様に高い離職率が続いている。

 一方、文部科学省の旗振りでキャリア教育は徐々に浸透しているものの、日本進路指導協会(東京都新宿区)が05年、全国の公立中の学級担任約2000人を対象にした調査では「キャリア教育推進が求められていることを知っていたか」の問いに65%が「知らない」と答えた。中学生の7割が将来の職業を特定しない普通科高校に進学する現実があり、「職業にかかわる授業をどこまで具体的にやればいいのか明確な指針がない」という教師の声は根強い。

 ニートやフリーターの問題が続く中、現在の学校教育の中で見直すべき点があるとして、文科相の諮問機関・中央教育審議会には昨年12月、キャリア教育・職業教育特別部会が設置された。7月の中間報告は義務教育段階について「体系的学習が重要で、とりわけ社会性が発達する中学生には働く意味を体験を通じて理解させ、普通教育・職業教育の選択に導くことが重要」とまとめた。

 ◆「学歴偏重払拭が先」

 ただ、10月末にあった小中学校関連の各種団体のヒアリングでは、「学歴こそが社会的・職業的自立と国民が理解してきた。早期の進路分化への否定的考えや(高校の)普通科教育中心主義は根強く、その払拭(ふっしょく)なくしてキャリア教育推進はない」(公立小中の校長らでつくる全国教育管理職員団体協議会)、「進学重視の風潮を是正する必要がある」(日本教職員組合)など、これまでの教育体制が受験対策に傾き過ぎていた点を相次いで指摘している。

 特別部会は今年度末以降も審議を続けるとみられ、最終的な答申で、新しいキャリア教育がどう位置づけられるのか注目される。

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 ■ことば

 ◇キャリア教育
 99年の中央教育審議会の答申で初めて必要性が指摘された。ニートやフリーターなどの増加が社会問題化したことから、03年に文部科学相ら関係大臣によって「若者自立・挑戦プラン」がまとめられ、学校から職場への円滑な移行のためにキャリア教育が大きな柱と位置づけられた。現在は小中高校の総合学習や各教科に関連付ける形で実施されている。07年改正の学校教育法でも義務教育の目標として「職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと」と明記された。

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