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2009.11.07

11/5 非正規労働者の待遇改善が先行しても、組合員にしていくことは必要

私の勤務先の組合の、組合員教育の講座の間に、応援で来ていただいたファシリテーターの方と雑談をする。

その中で、連合の、組合員でない非正規労働者の待遇改善を運動課題にしていく春闘方針が話題になり、ここ1~2年の緊急避難的な意味での対応ではいいが、本当にそれでいいのか、という話になる。

社会全体としては、連合の問題意識の設定に全く異論はなく、組合に入っていない非正規労働者の底上げをきちんと求め、労働分配率を上げたり、生活できない賃金で労働力を安売りせざるを得ない人をなくしていくことが必要であるし、労働組合として、正社員やすでに組合に入っている非正規労働者にとっても、労働力を安売りされる人たちに労働力市場の競争力を奪われることを回避できる。

ただし、これで労働組合が組合員でない非正規労働者の待遇改善をして、残るものは何だろうか、と考えてしまう。

職場における正規・非正規の差別は、賃金や労働条件などともに、同じ仕事を支えていく仲間としてのメンバーシップも問われていくのではないか。連合に多くあるユニオンショップ協定にもとづく全従業員組合や、多数派組合にとって、それは組合員に加入できるか、できないか、ということも差別解消の課題になり、「非正規労働者」という言葉を最後になくしていくためのハードルになっていくのではないか。

非正規労働者の賃金が改善されました、労務管理の都合だけの無意味な雇いどめもなくなりました、休暇制度も整えられました、ときには権限のある職務にも就くことができます、そうなっていったときに、しかし労働組合は入れません、だからといって個人加盟のユニオンにも駆け込まれてはこまります、社内レクもダメです、となってくると、精神的にとても大きな断層を作ってしまうのではないかと思う。

もちろん、非正規労働者の待遇改善は当事者主権で進められるべきという理想論もあるし、非正規労働者も組合を通じて意思決定の場に加わるということが必要なことは言うまでもないだろう。

当座は今の方針でいいと思うが、長期的にはねばり強く、既存の組合の組合員にする、あるいは兄弟組合として非正規労働者の労働組合を結成してもらってでも、非正規労働者を労働組合に組織化していくことをきちんとメッセージとして伝えていくことは続けてなくてはならない。

●先日、ある地方の職場の労働組合の同世代の活動家と意見交換した。彼の地元は、労働組合の力が地域社会全体で弱く(そうなるとどんどん運動がマイノリティー化していく悪循環におちいっていく)、その中で、なんとか弱体化の悪循環を断ち切ろうとして奮闘している方である。

話題は非正規労働者の組織化。私が半年前にけしかけてしまったことが、実を結びつつある。彼が職場の非正規労働者に組合に入る意欲はあるか、と声かけてみたら半分以上が即座に入りたい意思を示してくれたという。
さらには、彼にとって総選挙に取り組んだことが今年の大きな課題であり、いわく「非正規労働者も同じ1票ですから、組合に入れるか入れないかなんて議論していて陣地を狭めるのはばからしいこと」と言ってくださった。
そう、同じ1票を持つ人権がある、対等平等の人間が、いろいろな人生のめぐりあわせで正社員になったり、非正規労働者になったりしているんだ、そういう考え方がきちんと行動にあらわれていて、いい人に組織化の種をまいたと、嬉しくて少しだけ涙がでてきた。

●労働組合が選挙に関わることをとやかく言うひともいる。組織力が落ちている中で民主党や社民党を支援する最大の支持団体として大きな顔されるので、労組以外の人は何か言いたくなる気持ちもわからないではない。
しかし、労働組合が自分たちのエゴを押し通すだけの存在ではなく、いろいろ難はあったとしても社会が求める課題と折り合おうとするのは、選挙に関わり、他の労組、他の団体、選挙運動の支援で出会う様々な人々と共同作業をし、まっさらな有権者たちと直接的にふれることを通じて養われている部分は少なくないと思う。職場では組合に入っていない、非正規労働者や委託業務で働く人たちに声かけることもある。選挙運動で言葉と手と足を駆使する中で、社会のさまざまな利害を考えざるを得ない。

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