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2009.10.01

9/30 選挙区の定数不均衡問題がクローズアップされなくなった

1票の格差をめぐる裁判闘争、原告は敗訴したものの、最高裁で少なくない弁護士が格差に問題ありとの判断を下している。

私のこの問題に対するスタンスは明確ではない。
今回のテーマになった07年の参議院議員選挙に関しては、格差の縮小には苦心しながらも、衆議院より以前から、人口の多い選挙区の方が定数が少ない逆転現象の解消を実現している。
参議院議員選挙の場合、人口の少ない鳥取県、島根県、福井県をどうするかという問題抜きに、定数の格差の問題は解消しないことから、その限界のなかでどこまで努力できたかという話になろう。
さらに、投票率や比例代表の分を勘案すると、どこまで格差と言えるのかという問題も生じている。
そのような中で、かつてのように中選挙区制時代のように、定数是正は必要であっても、政治結果を変更するほどの問題になるのかという疑問から、以前ほど、私の関心を呼ばなくなっている。

かつてこの裁判が起こされた1960年代、70年代は、当時は政治を歪めるほんとうにひどい問題だった。
三多摩全域が東京7区で定数5。それが1971年の定数見直しで、中央線、西武線沿線が7区で定数3、京王線、小田急線沿線と八王子市、日野市が11区で定数3と分割された。それでも鳥取全県区が4人だったのに対して、100万人以上いる両区が3人だった。
また、当時は地方の人にはしがらみが強く、今のように野党に簡単に投票する時代ではなく、中選挙区制というとてつもない広い選挙区であったこともあって、業界団体や労組などの支援組織なしに立候補はまずできなかった。そのことから、大都市部と地方では政党支持のつくりが全く異なっていた。
地方に手厚くすれば自民党が勝ち、大都市部に厚くすれば公明、民社、共産が躍進し、社会党が微増するという構図だった。
そういう中で、定数是正をしないということは、選挙結果を歪曲するものであった。

それが1989年以降の政治の流動化、とどめをさすような政治改革と新進党という新たな野党の誕生によって、徐々に地方でも大都市部と政治意識が近くなってきて、定数是正をしても、政党の消長にあまり影響を与えなくなった。そのことが定数是正をせよとする側もするなという側も、党利党略などで反対しなくなり、このことが話題にならなくなったのではないか。つまり、大都市部で議席を増やしても、地方で議席を減らさなくても、選挙結果の大勢に影響が少なくなっているということだろう。

そんなことを考えながら、この裁判結果については、高校生のときに選挙区割りのあり方について研究したことも思い出しながら、いろいろなことに思いをめぐらせている。

1票の格差:最高裁判決 原告側「ガッツポーズしたい」

 違憲とした裁判官は5人。04年判決の6人、06年判決の5人と変化はないが、柏木栄一弁護士は「単に最大格差を数字的に評価したこれまでの判決とは全く違い『制度を見直さない限り格差の是正はできない』と踏み込んだ」と歓迎。山口邦明弁護士も「多数意見の10人全員が見直しを要求したことが、国会への警告として大きい」と高く評価した。

 62年から衆参の定数訴訟にかかわってきた越山康弁護士は、病気のため出廷できなかった。結果を伝えられ、大変喜んでいたという。10年の参院選についても提訴する意向を示し「選挙前の差し止め請求も考えてみたい」と語った。

 一方、04年判決と06年判決で違憲判断を示した元最高裁判事の泉徳治弁護士は取材に「明確な違憲宣言をしてもらいたかったが、格差是正を強く求めた点は評価すべきだ。判決を重く受け止め、真摯(しんし)に取り組むことが望まれる」と述べた。

 ◇実際の定数是正、動き鈍く
 07年参院選の際「4増4減」の定数見直しを行って以来、格差是正に向けた動きは鈍い。参院各会派でつくる「参院改革協議会」座長の平田健二・民主参院幹事長は30日、最高裁判決を受け「(次々回参院選の)13年をめどに選挙制度の抜本改革を行い、格差是正を図る」とのコメントを発表。来夏の参院選での格差是正は困難な見通しだ。

 参院改革協は格差是正問題の解決に向けて、08年12月から専門委員会で協議。当初は7月1日に各会派が具体案を持ち寄る予定だったが、衆院選を控えどの会派も具体案を示せなかった。民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で、参院の定数削減には触れたものの、格差是正問題について言及していない。

 格差是正の動きが進まないのは、現行制度を前提にした微調整では「もはや限界」(平田氏)という事情がある。

 江田五月参院議長は30日「判決の指摘を重く受けとめ積極的に適切な検討を進めていく」との談話を発表。平田氏は国会内で記者団に対し「今秋の臨時国会に向け、各会派に協議を呼び掛けたい」と述べるにとどめた。【鈴木直】

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