10/10 さいたま市議会が市民参加で議会基本条例を討議
さいたま市議会が議会基本条例づくりをめぐり、市民の参加で審議するオープン議会が開かれた。
政令市の市議会で市民参加の討議を行ったのは初めて。埼玉県全体に自治体議会に古い体質がこびりついているが、そうしたなかでさいたま市議会が最も最先端の取り組みをしたことはいいことだ。
●行政府の市民参加は曲がりなりにも進められており、市民に密接に関わる政策分野では、市民参加、とりわけ当事者参加なしに決定された政策についてその政治的正統性が認められないような時代になってきている。
しかし最も有権者を代表しているはずの議会、とりわけ自治体議会が、ほとんど市民参加を進めず、選挙で選ばれた自分たちとそうでない市民との間に大きな線引きをして、政治家だけで政策討議をしていることは問題であるし、議会の権威を低下させ続けている原因ではないか。
少なくとも国会程度には、参考人を呼んで、専門的分野や新しい課題に関することについて専門家や市民の意見を聴くようにすべきではないかと思う。
市民に開かれていない(たんに傍聴フリーということでなく、意見表明ができるということ)市議会では、閉鎖的であり、閉鎖空間で勉強しない政治家どうしで語らいあっても、政治的ジャッジはできても、俗論に流され政策がねじ曲げるデマゴーグ政治家の意見を排することが難しい。行政が政治家に話をねじ曲げられないよう、目にひたすら低空飛行で政策を通そうとする副作用も産んでいる。
●かつては自治体議会の議席の大半を占めていた自民党が、過半数を辛うじて維持する勢力に転落し、さいたま市のように下野してしまうケースも出てきて、自民党の側が自治体議会の改革の話に乗りやすくなったことが大きいのではないか。またさいたま市議会の場合、自民党に議会改革に熱心な議員がいることも大きい。
野党としての自民党が何をなすべきか、示すいい事例ではないか。
『説明責任 条文明記は』 さいたま市オープン議会 議会基本条例案で市民が質問2009年10月11日東京新聞
さいたま市議会で九日夜、本会議場の議員席に市民が座り、執行部席に座った市議に質問をぶつける「オープン議会」が開かれた。テーマは、現在検討中で制定されれば政令市で二番目という議会基本条例案。市民からは「説明責任を明記した条文はあるのか」「中身のおもしろさに欠ける」などの声が出た。
議員席に座った市民は六十人。市議らが同条例の素案を説明した。同市浦和区の無職木内良一さん(72)は「こういう機会がなければ市議の活動状況をつぶさに理解するのは難しい」と評価。関根信明議長は「多くの人が参加し、開かれた議会という目的は達成できた」と話した。
同条例案は市議会の役割や責任の明確化を図る目的で、昨年四月から特別委を設置して検討してきた。「幅広い市民意見の反映」や「区行政の積極把握」など、市政への監視機能を強化し、開かれた議会を目指す条文を盛り込むという。この日出された市民の意見を取り込んで、十二月定例会での制定を目指す。 (水越直哉)
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